ただ未来へと夢を乗せて
一睡もしなかった。
いや、できなかった。
最大限に込み上げてくる嬉しさ、祝福、感謝がどうしても短い言葉で表しきれなかった。
メンバーの支え、グループの躍進、ファンの応援、全てがあってこその今だけれど、何よりも彼女自身の努力。
アイドルとして "訪れる体験" から "掴み取る体験" へと変わっていった中で掴み取った一番の体験。
そう言ってあげてもいいんじゃないかな。
最後列の一番端から表題曲の最前列の中心まで駆け上がってきた彼女の坂道に嬉しさ、悲しさ、悔しさは数え切れないほどあったはず。
お調子ですぐ調子に乗るけどまたすぐに落ち込んでネガティブになる。
負け顔なんて言われるけれど、その結果から挫折と同時に努力が生まれる。その努力の中でうまくいかないときにどうしてもまた挫折してしまう。それでも隠しきれない涙を隠すようにまた笑って。いつしか涙も少なくなるほど前向きになって笑顔が増えて。
負け顔なんかじゃなくて挫折を経験して成長する中で生まれてきた笑顔こそ彼女の本当の魅力な気がする。
だからこそ、決まった瞬間に駆け寄ってきてくれたメンバーに見せた嬉しさに満ちた涙が伝う表情は、きっと何ものにも代え難い素敵な笑顔だったんじゃないかな。
立ち位置としてだけでなく彼女自身としての成長でもある坂道を支えてあげられる一人であれたこと、そして決して長いとは言えないアイドルという限られた時間の選択肢の中で、日常を彩る瞬間を何度も見せてくれたことに改めて感謝した。
ネガティブだった彼女がここまで前向きに成長した姿。
ひなあいや外番組でもその姿が感じられるけれど、センターとして音楽の中の表現力で発揮できる瞬間がすぐそこまできた。
彼女らしさが最大限光る。
そんな姿が見られるといいな。
掴み取った体験を一人でも多くの人に見てもらえるように。
下から見上げてきた希望は一番輝いてる真の希望だ。
希望に満ち溢れた未来へ。
いつだって、未来は味方だ。
fin.