しふくのーと

誰も得しない日記

月光下、鍵盤上

 

 

『ヨルシカ LIVE TOUR 2023  月と猫のダンス』

 

 

コロナ禍に出会った音楽。

 

それは中学から愛して止まない Mr.Children の次点に来るほどまでのものだった。

 

それほどまでに大きく影響を与えた。

 

物憂げとは正反対の6月初日の札幌公演2日目の様子を綴る。

 

(※スクリーンの映像の切り抜きはクリエイターの市川 稜さんの Instagram よりお借りしています)

 

 

 

 

 

開演前

 

【札幌文化芸術劇場 hitaru】

 

2018年にニトリ文化ホールの後継施設として開場した新しい箱での初ライブ。

もちろん音の良さはお墨付き。

 

グッズ販売のほか、これから行われるライブのキーとなる絵画の展示も行っていた。

 

(前日は SOLD OUT だった猫ちゃん座布団)

(めちゃんこかわいい)

(すき)

 

階を上がり会場に入ると、第二夜 をバックサウンドに、物語のホームとなる海辺の家の一室を作り上げたステージが見えてきた。

 

 

ステージの真ん中にはピアノとキャンバスを立てかける画材が置かれている。

 

そんなアーティスティックなステージに目を奪われながら席に着く。

 

 

うん、近いね。

 

どこかであり得ないくらいの得を積んでたらしい。

 

Against All GRAVITY の沖縄のときくらい近くて始まる前からわくわくが止まらなかった。

 

そんな気持ちとは裏腹に、開演時間を過ぎると会場の緊張感が高まるのが分かる。

わくわくと緊張感が共存するこの数分間、大好き。

 

開演時間から10分ほどが経ち、照明が暗転する。

 

 

 

Written by n-buna

 

 

 

スクリーンに映し出された文字が消えるとアクターが登場し、ステージ真ん中の椅子に座って絵を描きはじめる。

 

 

 

 

 

01. 朗読劇①

 

「花瓶の花が枯れていた」

 

そんな一言から始まった一人の男の語り。

 

売れない絵描きのその男は自身が描いた絵と葛藤し、描いては捨て、描いては捨てを繰り返す。

 

捨てられた絵によって舞う埃。

 

窓から射し込む陽の光に輝く部分の表現は文体を現実化したそれだと感じた。

 

そんな男の息抜きの一つにピアノがある。

 

と言ってもベートーヴェンピアノソナタ14番 "月光" を弾く程度なのだが。

 

何も考えずに生きていける鳥を羨みながら 月光 を弾く。

 

一瞬、窓の外から猫の鳴き声が聞こえ、手を止めるが、このときはまだ気のせいだと感じた絵描きは演奏を再開する。

 

再開した 月光 のフェードアウトとともにギターのインストが始まり、やがてドラム、シンセサイザーと合流し、ポップなリズムを奏でる。

 

ノリノリな音楽隊のフロントにsuisさんが姿を見せると、これから始まる動物たちの物語のオープニングに相応しい一曲を歌い出す。

 

 

 

 

 

02. ブレーメン

 

パンツスタイルでフォーマルな黒のジャケットを着飾り、ブレンドヘアをまとめたsuisさんの姿が照らされる。

 

(え!?!   イメージとちがう!!!!!)

 

 

かっこいいんだが!?!?!?!?!?!?

 

 

前世や月光のライブ映像を何度も見返して目に染みついてる主の中のsuisさんとはまるでちがう姿がそこにあった。

 

一瞬、戸惑いがありながらもイメージを覆すその姿に目も心も釘付けになる。

 

ねぇ考えなくてもいいよ

踊り始めた君の細胞

この音に今は乗ろうよ

乗れなくてもいいよ

 

観ている我々の身体も弾ませるその曲調とフレーズは、音楽隊へと誘うかのような雰囲気すらあり、「あっはっはっは」というsuisさんのかっこよくたくましい笑いが何も気にせず音に身を任せていいものだと教えてくれる。

 

アウトロでは平畑徹也さんのピアノが目を惹き、原曲以上のオシャレなアレンジがとても素敵だった。

 

スクリーンにはこれから登場する動物たちのアニメーションが映し出され、動物たちによるダンスというライブコンセプトをしっかりと魅せてくれる演出だった。

 

 

 

 

 

 

03. 又三郎

 

ブレーメンから間髪入れずに疾走感溢れるロックなイントロが流れる。

 

n-bunaさんをはじめ、ピアノの平畑さんはヘドバンを繰り返しながら暴れるように音をかき鳴らす。

 

言葉は貴方の風だ

 

僕らを呑み込んでいくほどの言葉。

そんな言葉をフレーズをヨルシカからたくさん教えてもらった。

自分の風の一つになった 又三郎 で一番好きな歌詞。

 

遮るものが何もない草原の中で一人踊る映像は、開放感に溢れたサビが表れていて、そんなサビの歌声もハードでロックなサウンドにはもちろん、三郎がやってきた日のような強い風(青嵐)が吹いても負けないような力強さを感じた。

 

 

 

 

 

 

04. 朗読劇②

 

「あなたの描く絵には何かが足りない」

 

元恋人に言われた言葉を思い出す。

 

絵の展示会に関わる仕事をしている彼女は、絵を見る眼を持ち合わせていた。

 

人が心を打たれない「どこかを切り取った絵」と評され、売れない絵描きとしての現実が刺さる。

 

答えが見つからないまま夜になり、開けた窓から月の光がピアノの鍵盤を照らしている。

 

そんな情景に相応しい 月光 を弾き始めると、一匹のカナリアがやってくる。

 

追い払おうとしても微動だにしないことに諦めをつけ、再び弾き始めると、カナリアは羽を開くように動いていた。

 

鍵盤を弾く手を止めるとカナリアも止まる。

 

ピアノの音に合わせて動いているその姿に最初は馬鹿馬鹿しく思った絵描きだが、その奇妙な光景を写そうとスケッチブックを手に取り、カナリアを描く。

 

夜が明けた頃には、カナリアは飛び去っていった。

 

開けた窓の先に広がる海を眺めながら、遠くに飛んでいるその羽を想像する。

 

 

 

 

 

05. 老人と海

 

遥か遠くへと、まだ遠くへと飛んでいったカナリア

 

鳥の鳴く声だけが聞こえてる

 

その声の中にカナリアはいるだろうか。

 

開けた窓から吹き込む潮風は、そんな想像をする絵描きの肌を舐む。

 

サビの美しく伸びる歌声をより響かせ、曲終わりの心地良いさざなみの音をさらに増幅させたホールという会場に凄く合う一曲だった。

 

 

 

 

 

 

06. さよならモルテン

 

n-bunaさんのギターからカナリアに引っ張られるかのように鳥が出てくる曲が続く。

 

相棒はガチョウのモルテン

 

ガチョウは出てこないけど、ポップな映像の中で飛んでいる鳥はカナリアだった。

 

かもしれない。

 

 

 

 

 

 

07. 朗読劇③

 

絵描きは小さい頃からさまざまな景色を描いていた。

 

しかしそれは良くも悪くもただその景色を描いただけである。

 

「絵には訴えかける何かが必要」

 

元恋人の言葉が再び刺さり、夜の窓際で物思いに耽っていると、ぬめぬめとしたカエルの表面が手に触れた。

 

追い払おうとしても動かない。

 

その図々しさに既視感を覚える絵描き。

 

気が付くとカエルは月の光に照らされたピアノの上に乗り、絵描きが奏でる 月光 に ゆっくりと身体を踊らせている。

 

スケッチブックを手に取り、あのときと同じようにその奇妙な光景を描く。

 

手を洗って戻ってくると、鍵盤の上にいたのはカエルからカメレオンに変わっていた。

 

案の定、手を触れてもカメレオンが動くことは一切ない。

 

ピアノの音を除いては。

 

 

"ピアノの音を求めてやってくる動物たち"

 

どこかの本で読んだそんなロマンチシズムに溢れた現実が今ここにあった。

 

 

 

 

 

08. 都落ち

 

 

和!

 

 

ローソンでチョコレートモカを買い、絵を読み込んで初めて聴いたときの第一印象。

 

和楽器を使わないでここまで和の音のように表現できるn-bunaさんの作曲センスが凄すぎる。

 

そんな和の音はこの日もn-bunaさんのエレキ、下鶴さんのアコギ(マンドリンじゃなかった)、平畑さんのピアノによって再現されていて、スクリーン映像がないことで音を際立たせる演出となっていた。

 

桜色に照らされたステージで歌うsuisさんの姿は妖艶な美しさがある一方で、歌い方にはこれまでとは変わって可愛さが加わっていた。

 

詞の美しさは ......... 言うまでもないね?

 

 

 

 

 

09. パドドゥ

 

 

「もっと踊っていようよ」と言うようにスクリーンには画集の絵のような草原をはじめ、様々な場所で踊る男女が映る。

 

幸せそうに踊るその光景は、どんな場所でもどんなことがあっても互いに離れないと思わせるほどの二人だけの世界だった。

 

情けない顔のままでもいい

泣き止んだ顔のままでもいい

ずっと貴方(あなた)と踊っていたい

ふざけた笑顔で貴方(ぼくら)は踊れるから

 

「考えなくてもいいよ」と優しく語りかけ、踊ることでただただ幸せが生まれる愛の世界。

その語りがsuisさんであることで、涙腺が少し危うくなる。

 

(あぁ、この人に自分を委ねていいんだ)

 

何も考えずとも聞こえてくる美しい音と声によって、自然発生的にそんな想いが生まれ、舞踏会のワルツのように拍が変わるラスサビ前では、その想いが一層強くなった。

 

今回のライブで一番好きだった曲かもしれない。

 

それから 月と猫のダンス の "キー" はここにあるんじゃないかなって思ったりもしてね。

 

 

 

 

 

10. チノカテ

 

優しいイントロが付いて歌い出しが始まる。

 

ポツリとつぶやくようなサビ前の一言で照明が変わり、それぞれのサビごとに異なる色 (夕陽:橙   散った:緑   待って:桜) で彩られる演出が素敵だった。

 

貴方の夜をずっと照らす大きな光はあるんだろうか?

 

必死に夢を追う過程で誰しも上手くいかないことがある。

そんなときに支えてくれる人はいるだろうか。

辛いときに支えてくれる人を大切にしているだろうか。

 

「待って」と思ったときにはもう遅いかもしれない。

 

部屋の中にある花が "枯れた花" ではなく "枯れてしまった花" と気付いたときには、大切なものはもう何も残っていないかもしれない。

 

それならいらないものさえも捨てて外に出よう。

 

そんな貴方でいいから。

 

それでいいから。

 

 

 

 

 

 

11. 朗読劇④

 

窓際で再び奇妙な物体を見つけた絵描き。

 

正体はウサギだった。

 

次々とやってくる動物たちに考えることをやめた絵描きは 月光 を弾く。

 

音に合わせて窓枠を齧るウサギ相手に言っても伝わるはずのない文句を浴びせる。

 

溜息をつきながらも、絵描き自らがウサギを家に招き入れ、待ちわびているであろう 月光 を弾くと、そこには短い手足で踊る ある種見慣れた光景があった。

 

 

 

 

 

12. 月に吠える

 

その奇妙な光景を表すかのような不気味なイントロが、n-bunaさんの咳(原曲+α)の後に続く。

 

"アイスピック" というフレーズがなくとも どこか冷たさすらも感じるダークな雰囲気の中にある歌声は主の一番好きなsuisさんである。

 

音と音を区切っていることで間の無の時間が夜の静寂のような表現になっていて、唯一音がつながるCメロの不気味さがより際立つようにもなっている。

 

殺傷能力高すぎる n-bunaさん、そのまま殺してください。

 

ダークなsuisさんを聞きながら殺られる人生、全然ありなので。

 

 

 

 

 

 

13. 451

 

リズムドラムからsuisさんが下手に移動すると、ギターを置いたn-bunaさんがシンメにやってくる。

 

 

「あのっ  太陽を見てたっ」

 

 

よ!  ん!  こ!  い!  ち!

(※主が勝手にそういう呼び方をしているだけです)

 

 

受け入れる準備がまだできていない我々を歌い出しで攻撃してくる。

 

だから!  殺傷能力高いんだって!!!(惚)(吐)

 

多分会場の全員がかろうじて生きている状態だったけど、n-bunaさんの攻撃は止まらない。

 

ノリノリで横揺れを繰り返し、メインボーカルとしてハスキーな高音を響かせるn-bunaさんと、それに合わせるように揺れる低音コーラスのsuisさん。

 

時折、互いを見合いながら歌っている姿は何より楽しそうで、見ている我々も幸せにさせる光景だった。

 

スクリーンには原作 "華氏451度" と「燃やして」というフレーズを象徴するように本が燃えている映像が終始流れていた。

 

"引火して燃えている本に面白さや喜びを感じる"

 

普通ではありえないその光景を面白がるところは、絵描きが次々と家にやってきてはピアノに合わせて踊る動物たちをどこか面白がっているそれと重なっていて、自分も「踊って」と繰り返すように、動物たちと共に踊りたいほど面白がっているのではとすら感じた。

 

 

 

 

 

14. 朗読劇⑤

 

元恋人に動物たちとの出来事を電話で話す絵描き。

 

どうやらウサギの後にはコウモリもやってきたようだった。

 

もちろん、冗談のつもりで聞いている彼女は、その出来事に少し似た宮沢賢治の "セロ弾きのゴーシュ" を話題に出しながら「今度行こうかしら」と絵描きをからかう。

 

「絵の雄弁さは時に言葉と変わらない」

 

「絵本作家にでもなったら?」という一言に続けた彼女の言葉に感心した絵描きだが、この言葉はその昔、自分が言った言葉だという。

 

少し恥ずかしくなり、セロ弾きのゴーシュ の結末を訊ねる。

 

"やってきた動物たちに「もっと優しくしてあげればよかった」と想う"

 

彼女の皮肉に気付いた絵描きは、電話越しに笑っている彼女との話の終わり際にその動物たちをテーマとして絵を描くことを勧められる。

 

些細なことからの別れというものは平凡なものである。

 

部屋のスケッチブックを眺めながら、ぼんやりと2人でのあの頃を思うのだった。

 

 

 

 

 

15. いさな

 

 

部屋の中を魚が泳ぐ映像。

 

水のない空間で泳ぎ続けるそれは、空の心の中でも水があるときと同じように過ごしたいという絵描きの心情を表しているようだった。

 

一音一音鳴らされる冒頭のアコギはゆっくりと時を刻む振り子時計のようにも聞こえてくる。

 

それほどまでにあの頃の時間が思い出であり、彼女へ想いを馳せるように切なく歌うsuisさんはこの日一番の美しさを放っていて、表現力も素晴らしかった。

 

足元に広がるスモークが降り注ぐ青い照明によって水面のようになる演出は神秘的で、パドドゥ に匹敵するほど心を打たれた一曲だった。

 

 

 

 

 

16. 雪国

 

 

さまざまな雪景色の中で降り積る雪のようにスクリーンに残り続ける歌詞。

 

月に吠える 以上に音の区切りが鮮明(歌声も区切ってる)で、音の数自体も限りなく少ないシンプルで難しい曲であるはずなのに、それにぴたりと合うような一音一音を丁寧に歌い上げる声が響く。

 

雪国住みの人には伝わるであろう "雪が降り積る中の特有の静けさ" がホールという会場の中で再現されていて、幻想的な空間が広がっていた。

 

前曲から続く過去への想いがこの2曲でより強い想いであることを表していて、絵描きは今でも元恋人のことが好きなんだと思った。

 

 

 

 

 

17. 朗読劇⑥

 

羽音を立ててやってきたフクロウ。

 

絵描きはその様子に慣れたように 月光 を弾き、羽を広げたフクロウを描く。

 

次にやってきた羽虫もまた同じように鍵盤の上に乗って音に合わせて踊り、それを描く。

 

その次に窓の外を覗いたときは鹿がそこにいた。

 

角で窓を突き、音に合わせて鳴く大きな声に溜息をつきながらも、スケッチブックを手に取り、その様子を描いた。

 

 

 

「送った絵はどうだった?」

 

テーマをくれた元恋人にこれまで出会った動物たちの絵を送った絵描き。

そこに想い人の人間の絵を加えて。

 

『踊る動物』というありきたりなタイトルだが、彼女は感心したのか、展示会のオファーを出してくれる。

 

またとない機会を得た絵描きは、心を決めて絵を描き始めた。

 

 

 

 

 

18. 第五夜

 

平畑さんによるピアノ。

 

その合間に鳴らされるn-bunaさんのギター音は動物の鳴き声のようにも聞こえた。

 

 

 

 

 

19. 夏の肖像

 

爽やかなメロディが響き、夏の展示会に向けて絵を描き続ける日常を映す。

 

揺れる木々を始めとした自然を映す映像が流れ、「もっと踊るように」というフレーズが、自然さえも音を立てて動物たちのように踊っているとすら感じさせた。

 

 

 

 

 

 

20. 靴の花火

 

 

前世ツアーで夏草以来6年ぶりに演奏されたのを知って遠征すればよかったと思った曲。

 

この日の靴の花火は夏草ver.

 

スクリーンにはさまざまな情景に動物たちが映る。

 

ねぇ  ねぇ

黙りこくっても言葉要らずだ

目って物を言うから

 

最初はなぜそこにいるのか分からなかった動物たち。

 

それでも絵描きは次第にピアノの音に合わせて踊りたいという彼らの意志が見えた。

 

目が物を言う描写は次の朗読劇に出てくる最後の動物がそれを担っている。

 

サビの力強くて綺麗な、それでいて最後は優しいsuisさんの歌声は、ヨルシカという音楽をより好きにさせてくれた思い出でもあって。

(出会いは 花に亡霊 なんだけどね)

 

最後に出てきた鹿はたぶんあの鹿かな......?

 

それと この日のコーラスはキタニさんだった。

 

 

 

 

 

21. 朗読劇⑦

 

絵描きは展示会の準備で慌ただしく、しばらく筆を握らない日々が続いていた。

 

窓の外から猫の鳴き声が聞こえたが、そこには何もいない。

 

いつものように 月光 を弾いていると、窓際から先ほどの猫がやってきてピアノの上に座る。

 

 

「君たちの絵を描いていたんだ」

 

そう猫に話しかけ、やってくる動物たちの話をしても信じてもらえない大家の話をする。

 

深い夜の色をしている猫の瞳に既視感を覚えた。

 

遠い昔、どこかで見たそれを思っていると頬に涙が伝っていた。

 

月光が鍵盤を照らす中、猫は絵描きに近づき鼻でキスをすると、ゆっくりと外へ消えていった。

 

これが奇妙な動物たちを見た最後の日だった。

 

 

 

 

 

22. 左右盲

 

 

スクリーンにはさまざまな図形で取り繕ったように形成された2人の映像。

 

Music Video の概要欄にある

「時間が経ち、相手の顔の造作や仕草を少しずつ忘れて、その左右もはっきりとわからなくなっていくような感覚」

のはっきりとその形が思い出せなくなっている様を表していると感じた。

 

左右盲 という制限的な言葉に相反するようなサビの壮大さは、目の前で奏でられる音によって原曲以上に再現されていた。

 

それでいて曲自体はだんだんと大切なものを失っていくようなコンセプトでもあり、色々な部分での対比という点でも "左右盲" であったりね。

 

 

 

 

 

23. アルジャーノン

 

 

原曲にはないオリジナルのピアノのインストから始まる。

 

貴方はどうして僕に心をくれたんでしょう

貴方はどうして僕に目を描いたんだ

 

スケッチブックに描かれた動物たち。

そんな動物たちからの問いかけにも聞こえる。

 

「目を描いた」という部分は、単に "命を吹き込んだ" という意味だけでなく、"見えなかったものを見せてくれた" という意味も含んでいると感じた。

 

このフレーズは、動物たちから絵描きへの問いかけであって、これからの自分を見せてくれた絵描きから元恋人への問いかけ(感謝)でもあるんじゃないかな。

 

別れたはずの彼女が、自分に絵のテーマをはじめ、過去の自分の言葉、セロ弾きのゴーシュ、そして展示会の誘いまで たくさんのきっかけを与えてくれた。

 

からかっているように見えて、誰よりも絵描きのことを気に留めてくれている存在。

 

そんな人のおかげで絵描きの眼はかつての夢をまた見始めていた。

 

 

僕らはゆっくりと忘れていく とても小さく

少しずつ崩れる塔を眺めるように

僕らはゆっくりと眠っていく

ゆっくりと眠っていく

 

過去に縋っていたこれまでとは変わって、ゆっくりと過去を忘れ消え去っていこうとしている。

 

それは動物たちと彼女によって変わった自分が、今、夢に向かってゆっくりと走り出していけるから。

 

 

穏やかでありながら丁寧に奏でられるサウンドと感情的な歌声が物語のクライマックスとして会場を呑み込む。

 

ラスサビではステージ上からゆっくりと降りてきた幾つもの照明が星空のような光景を作り上げ、その下の音楽にこれ以上ない視覚的な音を加えた。

 

この日一番の演出であり、物語を締め括る音楽としてあまりにも相応しすぎた一曲だった。

 

 

 

 

 

24. 朗読劇⑧

 

ステージが明転すると、踊る動物たちを描いた10枚の絵が並べられていた。

 

「どこか不可思議な魅力が溢れている」と絵の説明を始め、夢であった展示会が開催された。

 

客入りは疎らであったが、展示会を開催できたことが絵描きにとって思い出であり、これからへの大きな一歩となっていた。

 

「一枚もらっていい?」

 

見ていた絵はがきから顔を上げると、そこには元恋人の姿があった。

 

「絵が良かったから背中を押したくなった」

 

最高の褒め言葉だと感じた絵描き。

「訴えかける何かがない」と根本を評された見る目がある彼女の言葉であったからだ。

 

 

「変わらないように見えて、人は皆変わっていく」

 

アルジャーノンのフレーズが重なる。

 

自分を変えてくれた元恋人もまた、時間が経つとともに変わっていってる。

 

彼女の左手の薬指にある指輪を見てそう感じた。

 

 

展示会は後の仕事にもつながったほか、過去の絵にも買い手がつくほどの成功を収めた。

 

改めて彼女にお礼を伝えると、訴えかける何かがないと評された過去の絵の話になる。

 

"面白みのない絵は悪いわけではなく、絵描きとして生活をするためには、手に取ってもらえるような面白みがあるといいのではないか"

 

当時の一言にそんなニュアンスが含まれていたことを絵描きはここで知る。

 

「その辺りにある景色を描いたとしても、その絵にはその絵にしかない価値がある」

「たとえ誰にも買われなかったとしても、それは立派な一つの絵なんだから」

 

絵描きとしての根底を思い出したかのように男は感心するが、これもまた、昔の自分の言葉だった。

 

変わっていない絵描きの姿に彼女は笑い、左手の指輪が光る。

 

変わっていないと笑っている彼女は変わっているという描写に、絵描きの心がまた少し揺れる。

 

 

彼女を会場の外に送り出したとき、空は茜色に染まっていた。

 

あの動物たちのおかげかもしれないと呟く絵描きにまた彼女は笑みを浮かべ、貴方に似て面白かったと動物たちの絵を褒めてくれた。

 

「あの猫なんてピアノを弾いてる時の貴方にそっくり」

 

目を閉じて鼻を上げる彼女が真似たその姿に絵描きは衝撃が走った。

 

 

 

 

窓の外を眺めながらピアノを弾く。

 

自分でも信じ難い一つの奇妙な想像が頭から離れない絵描きは、部屋にある10枚の絵のように踊りを真似る。

 

彼らは本当に踊っていたのだろうか。

自分の勘違いなのではないか。

彼らはピアノを弾きたかったのではないか。

 

 

月光 のメロディーを奏でる。

 

 

「奇妙な踊り ......... か」

 

 

椅子を立ち、あの動物たちのように踊る。

 

 

それは猫がピアノを奏でるようなシルエットだった。

 

 

 

 

 

物語が幕を閉じ、アクターさんの後にsuisさんとn-bunaさんが前に出て一礼する。

 

温かい拍手は彼らの姿が見えなくなるまで鳴り止むことはなかった。

 

 

 

これまでのヨルシカとはまた違った新しいかたちのライブを見ることができて本当に新鮮だった。

 

台詞という言葉で物語を構成するライブコンセプトと言葉が無くとも音を鳴らしたいという動物たちの心が見える物語の対比。

 

その中の心情を奏でるような幻燈の曲たちがどれも素晴らしく、一つのコンセプトアルバムのように仕上がっているように感じた。

 

 

幻想的で芸術的な空間を作ってくれたヨルシカ。

 

 

また絶対、会いに行くね。

 

 

 

 

 

 

(ブレーメン と 又三郎 のときに何度かお顔を見ることができたのは小さな宝物として心の中に...)

 

 

 

 

fin.



 

夜の中の太陽

 

 

 

 

『僕の心のヤバいやつ』

 

2018年3月8日に週刊少年チャンピオンで連載が始まった桜井のりおさん作の青春ラブコメ

 

"3月8日" "桜井さん" って聞くと どうしてもそっちの自分が反応する。

 

ある意味 "僕の心のヤバいやつ" なのかもね (え?)

 

そんなことはどうでもよくて、今年の2月にテレビアニメ化が発表され、4月から6月にかけて第1期が放送された。

 

作品の存在を知ったのは、テレビアニメ化の発表とともにオープニングテーマとしてヨルシカの『斜陽』が決定したときだった。

 

 

(今回は太宰治なのね)

(みすたーさんにも太宰治からとった同タイトルあるよね)

 

当時は楽曲に対して待ち遠しさも含めた感想を抱いた一方で、作品に対しては青春ラブコメのアニメなんだと軽く触れた程度。

(これで触れたと言うのも失礼なんだけど)

 

3月から4月にかけてお仕事が忙しい時期なのもあって、テレビアニメ化の発表以降、ほとんど情報を目にとめることなく、初めて視聴したのは2話が過ぎていた4月半ばの頃だった。

 

もちろん最初はヨルシカの音楽を聴く目的で。

 

 

 

「僕は頭がおかしい」

 

Starting Over の冒頭くらいパンチのある始まり。

 

でも "僕の心のヤバいやつ" なんてタイトルだしそれも納得。

 

 

殺戮の本を手にして妄想を繰り広げる中二病の主人公 市川京太郎。

 

 

市川が一番殺したいと思っているモデルもこなす美少女 山田杏奈。

 

そんな絵に描いたように相反する二人の関係の変化と心情の成長を描いた物語。

 

 

『「どこからが好きなんだろう」って距離感が全然わからない。相手の子をいつ好きになったのか、好きじゃなくて違う感情なのか。心の葛藤が起こる曖昧な感情が面白いんです。』

 

桜井のりおさんの描きたかったそれは、些細な感情の変化から表現されていて、その変化で少しずつ成長していく市川の姿が回を重ねるごとに楽しみになった。

 

一方、山田も図書室で出会った市川に関心を持ち始め、積極的にアプローチしていく中で、市川の不器用な気遣いゆえの反応に次第に心情の変化が生まれる。

 

「自分の感情に正直になれない」

「これが好きという感情なのか分からない」

「相手に嫌われるかもしれない」

 

分からないことがまだたくさんある成長期の中学生が、互いに手探りで、ときには恋の感情から勇気を出して思い切って一歩を踏み出し、自分の心を開いて向き合っていく。

 

 

 

「 尊 い 」

 

 

 

ただそれだけ。

 

 

好きになった瞬間はなく、好きだと気付いた瞬間が描かれているのがこの作品のキーポイントでもであって。

 

両片想いになってからは互いに不器用なこともあり、微妙なすれ違いや自分の気持ちが相手に上手く伝わらない瞬間が何度も訪れる。

 

そのたびに尊死を繰り返して、気が付けば単行本まで購入していた。

 

 

落ちて行くように茜が差したから

 

闇と陽が交わっていく夕方。

そんな夕方はまさに市川と山田の関係であり、斜陽が彼らの道を照らしている。

 

眩しくて仕方ない山田という太陽は、市川の手の届かない存在。

 

その存在が "高く成った葡萄" として表現され、イソップ物語の「酸っぱいブドウ」の内容がまさにこの物語とリンクしている。

 

しかし、それがわかっていても指先が触れたとき、燃えるように焦がれ、自分の感情に気付いた。

 

太陽も恋も焦がれるものであり、陽が落ちることにも、恋に落ちることにも理由なんてない。

 

叶わぬものだと決めつけていても心は正直だった。

 

 

もう少しで僕は僕を一つは愛せるのに

斜陽にはにかむ貴方が見えた

 

斜陽が照らす恋心に目が開かなかった冒頭から、最後には目を開けた先に貴方がいた。

 

自分の感情と向き合って成長し、恋という感情に気付いたからこそ目を開けることができて、その存在が見えた。

 

1年生の頃は嘘をついて学校を休んでいた市川が、2年生になって山田という存在に出会い、学校が嫌いでなくなったこと、自分の感情と向き合わせてくれたことにより、好きという感情に気付かせてくれたことに「ありがとう」という感謝を伝える第1期最終話での最後のシーン。

 

山田が照らしてくれた光 (山田への恋心) によって、卑屈な市川が自分自身の生き方を認めることができたラスサビの歌詞と、そう成長させてくれたことをきっかけとなった存在に伝えたい "僕は僕を知ってほしい" というタイトルが重ねて描かれていて本当に尊かった(死)

 

「好き」という恋心よりも「ありがとう」という感謝を先に伝えたのは、山田が今までの市川の卑屈な生き方を否定せず、その楽しさは誰のおかげでもなく、市川自身が学校に来て得たものだと肯定してくれたことが嬉しかったからじゃないかな。

 

 

 

第1期の放送は終わってしまったけれど、この2か月間で得られた幸せは少なくともあと半年は噛みしめて過ごしていける。

 

その味が終わる頃には第2期が始まるしね。

 

そのときにはきっと「好き」と伝えてるかも(尊死)

 


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("器用なだけの山田" こと 半沢ユリネ さんも登場します)

(見た目はクールでも中身は幼いめちゃんこ可愛い子です)

 

 

 

まだ見たことがないという方はぜひヨルシカの音楽とともにご視聴いただければ。

 

 

 

 

 

単行本はアニメ以上に尊い展開が進んでいるので、興味を持たれた方はぜひ最新刊まで読んでいただければ。

 

 

 

 

2023年初ブログはアニメになっちゃったね。

 

後半は斜陽の曲解説みたいになってたけど。

 

本当はヨルシカのライブレポになるはずだったんだけどね。

(※ツアーファイナルの沖縄公演が終わってから公開予定です)

 

 

改めてこんなにも素敵な作品に出会えて本当によかった。

 

お仕事が忙しかった4月もこのアニメ放送を糧に頑張ってこれたところもあって、メンタル的に凄く支えられた。

 

 

『音楽から出会う物語』

 

ヨルシカが好きだとそれが小説なことが多いけれど、アニメとの出会いにもまた新しい良さを見つけられた。

 

そんな作品に出会わせてくれたヨルシカに、そして作品全体としてだけでなく、一つひとつのシーンに尊い瞬間を描いてくれた作者の桜井さんに「ありがとう」という感謝を自分も伝えたかった。

 

このブログが少しでもその気持ちを代弁してくれてるといいな。

 

 


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fin.

 

 

失くしたものの分まで

 

 

新たな世の中にも慣れてきた一年。

 

変わっていった方が良いもの

変わらずにいた方が良いもの

 

3年前に和寿が言っていた多くのものがこの数年で良くも悪くも変わっていってしまい、その変化へと人々は型を合わせるようにはまっていった。

 

そんな埋め合わせのパズルで取り繕った日常の中でかつての光景を思い出し、本来の完成型を一欠片ずつ取り戻して埋めていく。

 

その欠片ひとつひとつが思い出深く輝いていた記念すべき一年を振り返っていきます。

 

 

 

 

 

1月

 

Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス」開催決定

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待ちに待った3年ぶりの全国ライブ。

30周年という記念すべき一年。

未だに声が出せない状況でも、音と感謝と笑顔を届けてくれることが本当に嬉しかった。

 

ん? 北の大地が無い?

 

いや、ありましたけど???

 

 

(大阪の4公演、半分こっちにくれよ)

 

 

 

 

 

2月

 

北京オリンピック」開催

高木美帆選手やカーリング女子のメダルは道産子としても嬉しかった。

それ以上に嬉しかった同世代の平野歩夢選手の金メダル。

怒りを誰もが納得するパフォーマンスへと変えて実践できるメンタルがただただすごかった。

ショーン・ホワイトとの抱擁はアツかったですね。

 

 

 

『永遠』"桜のような僕の恋人" 主題歌に決定

アニバーサリーイヤーの新曲。

美しいピアノ、寄り添う歌声、印象的なフレーズ。

予告の時点で楽しみな一曲でしかなかった。

 

 

 

 

 

3月

 

かずとしっっ!!お誕生日!!!

毎年溢れるほどの おめでとう と ありがとう の気持ちを伝えて。

いつものダイアリーは今年もお田原様が優勝です。

 

 

 

Mr.Children 2011 - 2015』『Mr.Children 2015 - 2021 & NOW』発売決定

彼らの音楽に出会ってからの11年間が収録されたベストアルバム。

新曲として発表された学生時代の当時の思い出もたくさん詰まってる。

さらに リマスタリング + ライブ音源 + B'z presents UNITE & FCライブ映像 の特典てんこ盛り。

2枚で ¥10,000 なのどう考えてもお安いんですけど???

 

 

 

「桜のような僕の恋人」配信

 

美容師として働きながらも、人よりも早く年老いていく病気を発症した美咲。

一目惚れした彼女に"ふさわしい男になる"とカメラマンとして成長していく晴人。

 

恋仲の2人が取る決断は相手を想うからこそ、時に優しくて切なくて残酷でもある。

儚くても希望を捨てない桜のような恋物語

 

まだ見ていない方はぜひ見てみてください。

原作の小説も素晴らしいので手に取っていただければ。

 

 

 

『永遠』配信

歌詞と美しく切ないストリングスの世界観が、内容を知った上で聴くとさらに響いてくる。

小林さんのピアノ、やっぱりすごいね。

同じ意味でも Forever とはまた違った今年のベストソングでした。

 

 

 

「3回目のひな誕祭 in 東京ドーム」参戦

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サプライズ発表から2年3ヶ月。

ついにやってきた約束の地。

日向坂46としてのデビュー当時から応援してきた彼女たちの夢を叶える瞬間に立ち会えたことは忘れられない思い出です。

 

そういえばライブレポはどこいったんだろうね (下書幽閉中)

 

 

 

 

 

4月

 

『僕なんか』Music Video 公開

 

ひな誕祭2日目で初披露された一曲。

帰ってきた小坂さんをセンターに迎える新曲は表題曲の一番を更新してきた。

ピアノイントロはやっぱり良いなって。

 

 

 

『FATHER&MOTHER Special Prelive エントランスのエントランス』開催

10691059 から続くFC限定のプレライブ。

一日でも早く会いたい衝動を何とか抑えて応募はせず。

2週間後にさらに完成された音とともに再会が待っていたから。

 

 

 

アニメ「SPY×FAMILY」放送開始


例年になくアニメを見た今年のスタート地点。

主題歌の ミックスナッツ (Official髭男dism) も今年を代表する一曲だったんじゃないかな。

 

 

 

佐々木朗希投手、28年ぶりとなる完全試合達成

 

令和の怪物が数々の記録とともに大記録を達成。

打者の調子が上がらない春先ではあったものの、連続三振が続いてるあたりから試合を見てみると、まさに無双状態でした。

吉田正尚選手から3三振も奪えるほど。

 

バッテリーを組んだ松川選手がつい先日まで高校生だったのはバグとして歴史に刻まれるべきですね。

(※佐々木投手とともに最年少記録としてNPB記録樹立)

 

ちなみに次の登板で、我ら北海道 BIGBOSS 草野球ファイターズが彼相手に8回まで一人も塁に出られなかったのはここだけのお話ですからね?

 

 

 

「半世紀へのエントランス in 福岡」参戦

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ついに!!!!!

会えた!!!!!!!!!


3年ぶりの再会、再開となるアニバーサリーツアーの幕開け。

音が聴こえた瞬間、声が聴こえた瞬間、姿が見えた瞬間、目頭が熱くなった。

声を出せなくても拍手で目一杯の感謝を伝え、30年分のGIFTを受け取った。

愛と感謝に溢れ、翌日も福岡観光をすっ飛ばして急遽参戦したのは大正解でした。

 

 

 

 

 

 

5月

 

NHK「今日は一日"ミスチル30周年"三昧」放送

ラジオから流れる Mr.Children を皆で聴く大好きな時間。

SixTONES 京本大我さんの妄想セトリが変態過ぎて(褒)「あっ、この人本物だ」ってなって。

 

 

この時点でライブ未参戦なのに、雨の中で WALTZ → REM → NOT FOUND とかいう演出まで考えてこれるのはハイレベルなチルオタの証です。

 

 

 

Mr.Children デビュー30周年!!!

 

30年。改めてすごいよね。

10年先も、20年先も、いつまでも大好きな4人と生きれたらいいな。

本当に本当におめでとう。

 

 

 

『生きろ』Music Video 公開

 

30周年を過ぎてもなお、生き生きと音楽を鳴らしていくんだと彼ら自身に発破をかけるように。

そして不条理な2年間だったけれど、またここから強く、たくましく、楽しく生きていけるように。

そんな僕らへのメッセージも込めて作られた一曲。

 

"思いきり笑える  その日が来るまで"

 

彼らの想いをしっかりと受け取って約束した。

いつか必ず声援とともに笑顔を届けられるその日まで。

 

 

Mr.Children 2011 - 2015』『Mr.Children 2015 - 2021 & NOW』発売

 

微妙な音の違いにリマスタリングを実感するとともに、Tomorrow never knows (in Taipei) の声の良さに改めて気付いた。

もちろんみんな大好き「虹だっ!」「ご唱和下さい!」も忘れてないからね?

 

 

 

SONGSにて『ヒカリノアトリエ』『永遠』『生きろ』披露

記念すべき600回記念に登場。

インタビューも交えた45分はシフクでした。

ヒカリノアトリエは原キーな部分も含めて、朝ドラ以外だと地上波では初披露でした。

 

 

 

Mステにて『生きろ』『GIFT』披露

新曲とともに彼らが一番伝えたいメッセージとして選んでくれた『GIFT』

福岡のときと同じような僕らが声を出せない代わりに歌ってくれるメンバーの姿がテレビの先にもあった。

オリンピック主題歌の枠を超えたファンとの絆を示してくれてるように感じました。

 

 

 

きつねダンス 大流行

社会現象を巻き起こした今年を代表するダンス。

Mステ出演も果たした可愛いファイターズガールたちに目がいきがちですが、うちのエースがめちゃんこ面白いので見てください。

 

 

 

 

 

 

6月

 

「B'z LIVE-GYM 2022 -Highway X- in 札幌」参戦

 

昨年の B'z presents UNITE を観て 絶対に行くと決心しての初参戦。

日本一のアーティストは声量が桁違いだった。

アンコール一曲目に一番声出てる60歳手前がどこにいるんだよ(褒)

昨年 和寿とコラボした "さまよえる蒼い弾丸" も聴けて素晴らしいライブでした。

 

 

 

阪神甲子園球場

昨年の広島遠征の帰りに行く予定が雨で中止となり、念願の初甲子園。

階段を上がって見えてきた光景に一野球人として感動した。

 

同世代 佐藤輝明選手の逆転タイムリ

主砲 大山選手のホームラン

左のエース 伊藤将司投手の完投勝利

 

初の聖地で素晴らしい試合が見られたことは一生の思い出です。

 

(名物のカレーもおいしかったです)

 

 

 

「半世紀へのエントランス in 長居」参戦

 

福岡からスタートしたアニバーサリーツアーの千秋楽。

一曲目からスクリーンに映し出されるブルーフラワーと 終わりなき旅 のイントロはずるいよ。

雨予報も吹き飛ばす暑くて熱いライブでした。

誰一人欠けることなく、中止になることなくツアーを完走できたことがなによりです。

 

 

 

 

 

渡邉美穂さん 卒業セレモニー 開催


夢を叶えて数日後に卒業を発表したときは信じられなかった。

新しい 日向坂46 のキャプテンを担う子だと思っていたから。

 

 

本当に皆から愛されているのが伝わってきた。

配信なのに目頭が熱くなってた。

アイドルを選んでくれて本当にありがとう。

 

 

 

 

 

7月

 

清宮幸太郎選手、オールスターゲームサヨナラホームラン

 

ソロ宮君、それをシーズンでも打ってよ。

(新球場での30本塁打 期待してるね)

 

第2戦の道産子 伊藤大海投手のスローボールも素晴らしかった。

追いロジンから始まったエンターテイナーとしての才能がまた開花していました。

 

まあそんな贔屓チームの2人を差し置いてのMVPは、2戦連続で登板して 終わりなき旅 を流してくれた埼玉山賊ライオンズのケイスケホンダ投手なんですけどね(私情)

 

 

 

ハム、7連勝からの選手大量離脱

流行り病  & 怪我 のダブルパンチで制裁を喰らう。

監督を含め、コーチもエース2人も首位打者も元気印も正捕手も守備職人もいなくなりました。

そんなにAクラス上がっちゃだめなの?

 

 

 

 

 

8月

 

齋藤飛鳥さん、センス抜群の衝動買い

 

最近の Mr.Children も知ってくれてて嬉しかった。

まあ 虜 や Over あたりの曲も聴く彼女なので それくらいは当たり前かもしれないですけどね。

 

 

 

中川さんっっ!! お誕生日!!

3年ぶりに見られた少年のようなニッコニコの笑顔忘れてないよ。

帽子がオシャで素敵です(ダイアリー)

 

 

 

ポンセ投手、札幌ドーム初登板でノーヒットノーラン達成

 

ナイスガイのポンちゃんがまさかまさかの快挙達成。

6月に今永投手に札幌ドーム初のノーヒットノーランを達成されてから約2ヶ月、ホームチームも負けじと何とか達成。

終盤の卓ちゃんのファインプレーもアツかったね。

 

 

 

 

 

9月

 

金村美玖さん! お誕生日!!

 

彼女もついに大人の仲間入り。

センターというポジションを担った一年間で、よりアイドルとして成長した姿を見ることができた。

これからもさらなる飛躍を願って応援しています。

 

 

 

「Happy Smile Tour 2022 in 愛知」参戦

 

ツアー初日のこの日は金村さんのお誕生日。

うちわに気付いて笑顔をくれたことは忘れません。

 

ちなみにアンミカ姉さんから取ったのかスカイピースから取ったのか不明なツアータイトルは触れちゃだめだからね?

 

 

 

 

 

 

「半世紀へのエントランス in 札幌」下見

 

Mr.Children がリハやってるって聞いてきたのに(幻聴)なんですかこれは。

いたのはヒルマン元監督とかつてのレジェンドたちじゃないですか。

試合は清宮選手、道産子 今川選手、アルカンタラ選手のホームラン、ルーキー"神"川畑選手のサヨナラヒットが生まれたじゃないですか。

 

最高の札幌ドーム見納めになったじゃないですか。

 

来年ついにやってくる新球場も楽しみですね。

 

 

 

『月と星が踊るMidnight』Music Video 公開

 

皆が待っていたセンターに立つ斉藤京子。

彼女の歌声や表現力が曲調や歌詞に合っていて、センターとして相応しい楽曲だった。

ちなちに Music Video の監督は SignHANABI も撮った大喜多正毅さんです。

 

 

 

田原さんっっ!! お誕生日!!

今年もどんなものより一番おめでとうの気持ちを捧げました。

ごめん嘘、Mr.Children 30周年が一番だった。

まあその差は0.00000000924ポイントくらいしかないんですけどね。

ライブでお声聞けたの嬉しかったですっっ!!!!!!!!

 

 

 

日向坂46 4期生発表

 

新たなメンバーに選ばれた12人のうちの1人。

藤嶌果歩さん。

出身地はまさかの北海道。

自分と同じく習字をやってたみたいです。

 

 

応援しない理由ある?????

 

 

 

 

10月

 

オリックス・バファローズ、2年連続パ・リーグ優勝 & 26年ぶりの日本一

僅かな望みを手繰り寄せての優勝はすごかった。

日本シリーズ吉田正尚選手のサヨナラホームラン、あれは野球人皆が鳥肌になるよ。

奇しくも6年前の遥輝のサヨナラ満塁ホームランも第5戦で同日。

偶然かな。必然かな。

 

 

 

アニメ「チェンソーマン」放送開始

 

いつも指名している女性美容師さんから勧められる。

内容はもちろん、耳に残る 米津玄師 のオープニングや毎話変わるエンディングまで印象的だった。

ずとまよ と マキシマム ザ ホルモン が特に好き。

勧めてくれた美容師さんにめちゃんこ感謝しました。

 

 

 

アニメ「ブルーロック」放送開始

 

SPY×FAMILY 第2期 や チェンソーマン もあり、怒涛のアニメ週間が始まる。

鉢楽のキャラと声優さんの組み合わせが個人的にストライクだった。

お友達に圧されて単行本を買うすぐ手前まできてる。まずい。

ちなみにオープニングは UNISON SQUARE GARDEN が担当しています。

 

 

 

杉谷拳士選手、現役引退を発表

 

ファイターズを、日本を代表する元気印。

たくさんの笑顔と"魂"を届けてくれてありがとう。

大将とのやり取りが大好きでした。

 

 

 

 

 

 

11月

 

鈴木さんっっ!! お誕生日!!

ライブのMCでもスタッフさんへの感謝を述べていたように、おちゃらけた中にも周りをしっかりと見てくれる繊細さがあって大好き。

でもやっぱり一番は皆を笑顔にしてくれるその明るさだね。

 

 

東京スカパラダイスオーケストラ との対バンライブ開催

 

今年は Mr.Children として、スカパラさんとの対バンライブ。

あの音をバックに披露された ランニングハイ。

京セラドームで和寿が歌った ロビンソン くらい羨ましかったです。

 

 

 

FIFA ワールドカップ カタール 2022 開催

地獄のようなグループリーグに投げ出されたものの、まさかのドイツとスペインを下し、トップ通過を決める。

逆転勝ちをしてる光景を目に浮かべてニヤリとしてました。

勝利の女神と化した影さんの存在が多くの人に知れ渡った期間でもありました。

 

 

 

 

 

12月

 

近藤健介選手、FAで福岡ソフトバンクホークスへ移籍

来年からはライバルに。

基本的にランナーを置いて柳田選手と勝負することになりそうですね。

抑えられる気がしないですね(達観)

 

新球場で活躍する近ちゃん、見たかったな。

 

 

 

「ひなくり2022」開催

 

今年は有明アリーナで開催したみたい。

その頃おみずはスノーボードの今季開幕戦に行ってましたとさ。

ひなのちゃん、ごめんね。

 

 

 

金村美玖さん、1st写真集「羅針盤」発売

 

撮影地に美瑛、富良野トマム、小樽も含まれていて、19歳の彼女の魅力が詰まった素敵な一冊。

雪景色でさらに美しく見える北海道のカットがやっぱり好き。

裏表紙のオルゴール堂での一枚がお気に入りです。

 

 

 

Mr.Children「GIFT for you」公開

 

ファンのインタビューやエピソードで制作されたモノローグ。

アニバーサリーイヤーの最終日に観に行こうとしたところで、流行り病の疑いにより待ったをかけられるこの歯がゆさ。

1月、何が何でも観に行くからね。絶対に。

 

 

 

 

 

全国各地でたくさんの ありがとう を伝えた一年。

 

大きな声は出せなかったけれど

表情を見てもらえなかったけれど

 

それでも拍手という声援が温かく優しく届いてくれたことは嬉しかった。

 

感謝を伝える以外に外に出ることがあまりないインドアな生活になってしまったけれど、それもそれで今まで以上に読書ができたり、ピアノを弾けたり、ゲームができたりと巡り合わせとしてはラッキーだったんじゃないかなって。

 

その分、誰も得しない写真部の活動ができなかったんだけどね。

来年また再開するよ。きっと。

 

そして記念すべき一年を何事もなく健康に過ごせたことはなによりでした。

健康第一、田原健一の精神はまた来年も。

 

3月には新球場『エスコンフィールド北海道』の開業も控えてるね。

楽しみで仕方ないや。何回行けるかな。

 

魅力いっぱいの北海道、皆さんもぜひ来てくださいね。

 

 

彩りに溢れた2022年。

 

本当に楽しかった。

 

今年もありがとうございました。

 

 

 

「30周年、本当に本当にありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

fin.

 

 

 

 

 

 

笑顔の風

 

 

『Happy Smile Tour 2022』


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約束の地以来の彼女たちのライブ。

 

それまでに渡邉さんの卒業という大きなターニングポイントがあった。

 

夢を叶えた彼女たちの物語の第二章。

 

その幕開けとなるツアー初日を追憶していきます。

 

 

 

 

 

開演前

 


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− 2022.09.10 

 

20歳を迎えた特別な日。

会場までの道のりは祝福で溢れていた。

彼女をお祝いしたいたくさんの方がいる証だった。

 

 

改めておめでとう。

 

 

そんな幸せに溢れた道を歩いて会場へ。

 

 

【愛知県国際展示場(AICHI  SKY  EXPO)】

 

東京ドームから始まったおみずの2022年ライブ。

そこから福岡、北海道、大阪を経て愛知までやってきました。

 

一年で五大都市を制覇しました。

ニシエヒガシエ足を運ぶこのフットワーク。

誰か褒めてください。

 

 



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彼女に落とされてもう一年なんだね。

 

早いね。

 

出会えて本当に良かった。

 

そう思える一年だった。

 


そういえば今年はやきとりパネルなかったね。

 

 

 

 

 

 

会場に入ると、まず感じたのはその狭さ。

 

昨年の広島グリーンアリーナですら、きたえーるより小さいと感じたのにそれ以上に小さな空間だった。

 

あれ、昨年全国おひさま化したんですよね?

 

なんで規模縮小してるんですかね???

 

まぁ色々とあるんですかね?????

 

後ろ向きな思いは言わないでおくよ。

 

 

そんな狭さを感じるとともに中心ブロックの客席を取り囲むように繋がっている花道が見えてくる。

 

B7ブロックを用意されたおみずは見事にその取り囲まれた選ばれし客席へと進む権利が与えられた。

 

真正面に肉眼で表情まで見えるメインステージを迎え、周りを見渡せば360度メンバーが来るであろう花道。

 

 

 

 

「チケプラさん、一生ついていきます」

 

 

 

 

開演が近づいてくるとかとしと影さんの影アナが聞こえてくる。

 

「ハッピースマイルツアー!!!

 でら盛り上がって行くぞーーーーー!!!!」

 

2人の声で会場を盛り上げると、ポップなあの音楽が流れ、開演まで秒読みのその時間に手拍子で乗っかった。

 

 

 

 

 

00. Overture

 

声が出せない。

スティックバルーンもない。

それでもカラフルに揺れ動くサイリウムがライブという空間の下地を形成するのには十分すぎるものだった。

 

一年前に初めてこの目で見た景色が蘇ってきて、懐かしさを混ぜ込んだこれ以上ない高揚感で心が溢れた。

 

 

 

 

 

01. SE

 

神秘的な音とともに暗闇に淡く光る月のようなガラス玉が映し出される。

 

やがてそのガラスにヒビが入っていき砕け散っていく。

 

そんな砕け散った破片でさえも光り輝いているような表現の終盤のピアノがとても綺麗で美しかった。

 

 

 

 

 

02. My fans

 

ツアータイトルとは裏腹にダークなイントロが流れると、フードを深く被ったメンバーが姿をステージ高所に現し、歌い出しが始まる。

 

 

あれ ......

 

一曲目 ......

 

ダークなイントロ ......

 

顔が隠れるフード ......

 


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圧  倒  的  既  視  感  しかありませんけども!!!!!!!

 

 

ご存知(ご存知) Mr.Children[(an imitation) blood orange]Tour の一曲目 "過去と未来と交信する男" と酷似した演出です。

 

しかもこの曲中にフードを取ったので実質2曲目の LOVEはじめました もセットなわけで!!!!!←

 

会場でただ一人ズレた興奮でオタクのライブ魂に火が灯る。

 

 

赤く染まったサイリウムの中でひなくりで優勝した髙橋さん以上に目を奪われたのはキャプテン。

 

毎回素晴らしい2番のおたけとの歌声はもちろん、動きづらいフード衣装でもその高身長を活かした躍動感が他と違って凄かった。

 

今までの間奏アレンジや炎や水の演出がないシンプルな分、ライブという一つの物語の序章として合っていたようにも感じた。

 

 

 

 

 

03. DANCE TRACK

 

再びハッピースマイルとは正反対の音楽に合わせたダンス。

 

今のところツアータイトル要素が1ミリも感じられない。

 

そんな状態から目一杯 舵を切るようにみずみずしい爽やかなイントロが流れ、会場の空気を一新した。

 

 

 

 

 

04. 誰よりも高く跳べ!2020

 

「2曲目での誰跳べは は! や! す! ぎ! る!」

って米倉涼子さんも言ってなかった?

 

早いよ。うん。

 

でも最高だった。

 

My fans から 誰跳べ という過去一と言ってもいいほどの高低差はライブ序盤にしてかなりパンチの効いた選曲。

 

それでもすぐにその明るい空気に順応しようとペンライトを振っているところでスペイベが待っていました。

 

 

 

サビを前にすぐ近くに来てくれた金村さん。

 

 

すかさずペンライトを片手にうちわを掲げます。

 

 

3秒ほどこちらを見てくれました。

 

 

Happy Birthday の文字に気づいてくれました。

 

 

 

笑顔で応えてくれました。

 

 

 

大丈夫です、何とか生きてました。

 

でも呼吸することを忘れてました。たぶん。

 

このあとのキャプテンの煽りが頭に入ってこないほどの状態でした。

 

何て言ってたっけ? (本気で忘れた)

 

 

あ、それとイントロ部分の振りがきつねダンスになるのはいつですか???

 

 

 

 

 

05. キツネ

 

前曲が終わってすぐにイントロが流れる。

 

渡邉さんの卒業や宮田さんと潮さんの休養など新体制で起こる不安を吹き飛ばすかように序盤でたたみかけてくる。

 

一番が終わるとアレンジされた間奏でメンバーひとりひとりのダンスが披露された。

 

そのあとの2番Aメロのピアノが素晴らしい話はもういいね?

 

 

 

 

 

06. MC

 

「Happy Smile Tour へようこそ!!」

 

挨拶とともに我々を歓迎してくれる。

 

休養している潮さんと宮田さんの分まで熱いライブを届けてくれると誓ってくれた。

 

 

「ハッピースマイルを会場の皆さんに届けられるように頑張ります」

 

日向坂の笑顔の象徴とも言える丹生ちゃん。

説得力しかないにっこにこの笑顔でこの日の抱負を語ってくれた。

 

そしておひさまとメンバーで丹生ちゃん考案のツアーポーズをしてまた笑顔を届けてくれた。

 

 

「今日はツアー初日ってだけじゃないですよね?」

 

 

「我らが 金村美玖 20歳のお誕生日です!!!」

 

 

Happy Birthday (feat.Kumi) とともにケーキが運ばれてきて会場全体が拍手に包まれる。

 

特別な日を同じ空間、同じ時間で過ごせるだけでなく、お祝いまでできる。

 

本当に幸せだった。

 

そんな席にいられることに改めて感謝した。

 

 

「全然実感がなくて気持ちはまだ10代です」

 

 

「でも世間的には20歳だから」

 

 

誰よりも早く大人としてみなすバラエティ脳のキャプテン。

これからも大人になった金村さんを支えてね。

頼りにしてます。

 

 

20歳の抱負を聞かれたバースデーガール。

 

「寝顔が可愛くないので...」

 

「お世辞にも」ってキャプテンのガヤがもう芸人のそれだったのは置いておきます。

 

「日向撮とかで撮られても良いような大人な顔になりたいです」

 

(どんな抱負やねん)

 

たまに出てくるこういう変わらず子どもっぽい思考なところも好きなんですけどね。

 

改めて拍手を送って祝福を終えると再びSEが流れる。

 

 

 

 

 

07. DANCE TRACK

 

2、3期生によるダンストラック。

 

激しさよりも神秘さが勝る音楽に乗せたダンスを魅せてくれる。

 

音楽が鳴り止んで数秒の静寂を挟んだ後、一番聞きたかった美しいあのピアノのイントロが流れ、照明がバックステージを照らした。

 

 

 

 

 

08. 耳に落ちる涙

 

そのイントロに鳥肌が立った。

 

DCDL以来なのもあり、思わず声が漏れる人もいた。

 

この日一番嬉しかった曲。

 

期生楽曲とは思えないほどの曲のクオリティは日向坂の中でもトップクラスだと思ってる。

 

本当に大好きな一曲。

 

そのメロディとダンスが作り上げる世界観の美しさはまさにこの曲に求めていた光景。

 

1コーラスだけの披露でもこれほどまでに心が満たされたのは日向坂46のライブの中でも初めてだった。

 

 

 

 

 

09. 君のため何ができるだろう

 

同じく1コーラスの披露。

 

言葉にはできない  さりげない優しさ

どうやって返そうか

 

メンバーから優しさのエピソードが絶えない渡邉さんの卒業セレモニーが蘇ってくる。

 

あのサプライズ演出と想いを込めて噛み締めて歌う瞬間には勝らずとも、その光景を重なり合わせるのには十分だった。

 

 

 

 

 

10. 僕なんか

 

イントロ前のSEからの繋げ方が凄く綺麗だった。

 

イントロ、曲調、歌詞、世界観

曲として言いたいことがないくらい全てが素晴らしい日向坂46の中で一番好きな表題曲。

 

できるなら  一瞬

僕に振り向いてくれたら

この愛が確かに

真実だって証明しよう

 

君と僕との想いの違いによって生まれた自分自身への後悔。

 

心の声も聞こうとせず、君を想ってあげられなかったその後悔から、そばにいる資格も愛する資格もないと自分を責める。

 

再び会ってもその想いにしっかりと気付いてあげられるか自信もなかった。

 

それでも、もしもう一度振り返ってくれたら、

気付いてあげられなかったことを謝るから。

僕を想ってくれたことへの感謝を告げるから。

そして君が想ってくれていた以上に僕の想いを伝えるから。

 

そんな決意も

"初めから  間違ってた  思い出の残し方"

と過去への届かない願いだと現実を記されて曲が終わる。

 

そんな哀しい世界観に合う低い曲調に聴けば聴くほど心が動かされていった。

 

 

2番では Music Video を再現するように花道を使う演出。

このライブで一番好きな演出だった。

 

サビでは曲の世界観を崩さずに客席を向いて踊る。

メンバーが近くにいてもこの時間だけはただただそのダンスに魅せられた。

 

目の前に来た上村さんはいつもの可愛らしさとは全く別のアーティストとしての表情と動きで素晴らしかった。

 

 

 

メインステージへと場所を戻すと青空の中に飛ぶ一つの紙飛行機。

ゆっくりと飛んでいくその後ろには飛行機雲が生まれていた。

 

 

 

11. 飛行機雲ができる理由

 

正直、渡邉さんが卒業してもう披露しないと思ってた。

それほど彼女の旅立ちに似合う曲だったから。

 

センターには小坂さん。

お互いに支え合っていた2人だからこそ、渡邉さんのポジションで輝いていたようにも見えた。

 

曲自体に目立ったインパクトはないけれど、その分ドラムがいろんな箇所にフィルインとかを入れてて本当におしゃれなのが際立つ。

 

Right? も似たような入れ方があったけど作曲者がどちらも同じ方で納得した。

 

3:45 あたりとか特に素晴らしいので聴いてみてください。

 

 

 

 

 

12. 君しか勝たん

 

繋ぎの音楽もなく原曲どおりいきなり始まる歌い出し。

 

(まだペンラ持ったままなんですけど!!!)

 

会場にはスティックバルーンの代わりとなる手拍子が鳴り響く。

 

流行り病が収まってもこのリズムで応えるスタイルは変わらないでほしさもあって。

 

リアルユニエアみたいな感覚で楽しいから(小並感)

 

 

 

 

 

13. MC

 

このツアーの掛け声を作ったとキャプテン。

 

「この公演で今後やるかどうか決まる」

 

そんなプレッシャーを委ねてきながらもメンバーとおひさまで作り上げた掛け声は、無事に残りの7公演でもやってくれるものになった。

 

 

と こ ろ で ...... このMC間 ......

 

 

3期生がいませんでした。

 

 

ということはですよ......?

 

 

 

 

 

14. ゴーフルと君

 

イントロとともにこの日2度目のどよめきが起きる。

 

オレンジを基調とした新衣装に着替えた3期生。

お菓子の小道具を持ってステージを右に左にと移動しながら歌うその可愛らしさはハッピーを振りまく天使たちだった。

 

この日はハーフツインだった上村さん。

そこに可愛さ全振りの曲と笑顔を掛け合わせた瞬間、彼女へのパラメータは完全に振り切っていた。

 

(むり!!!!!  かわいすぎ!!!!! )

 

 

どんなに食べたってお腹にたまらない

 

ここの歌い方、どストライクです。

412回はリピートできる自信がある。

 

上村さんへの想いが溢れに溢れた瞬間だった。

 

 

幸せってつまりこういうことなんだね(?)

 

 

 

 

 

15. ソンナコトナイヨ

 

1、2期生もそれぞれ白、青を基調とした新制服に着替えて登場する。

 

センターには小坂さんが帰ってきてくれた。

待ちわびていた瞬間だった。

 

ダンスパフォーマンスが素晴らしい東村さんのセンターもとても良かったけど、どうしても見たかった原点の形。

 

体調が万全でない中、ハードなダンス楽曲に戻ってきてくれてありがとう。

 

 

 

 

 

16. 真夜中の懺悔大会

 

ステージ高所でセンターの潮さんのポジションは空けて披露される。

 

サビの振りがジャンボリミッキーにしか見えない病気はこの日も発症してしまいました。

 

コールレスポンスのところは声が出せたらもっとライブ向けの曲になるんだろうなって。

 

曲としては正直何とも言えないのが本音。

まぁ期生曲だしね ......。ごめんね。

 

 

 

 

 

17. 恋した魚は空を飛ぶ

 

メインステージとバックステージに分かれての披露。

昨年の My fans でも思ったけど、どちらかしか見られない演出はあまり好みではないかな。

 

メインステージには体調面からダンスを軽めにした丹生ちゃんと小坂さん。

 

身体をいたわってくれたのは働き方改革を推進したであろう演出家さんにお礼を言わなきゃね。

 

そこまでして披露する曲かなっていうのが個人的な感想でもあるけど。

 

 

純粋に曲として良い『僕なんか』

渡邉さんの卒業曲 『飛行機雲ができる理由』 

アップテンポな 『ゴーフルと君』

 

それ以外の曲は何度も聴くほどのクオリティかと聞かれたら首は縦に振れなくて。

 

好みじゃないところを一番上げられるのがこの2期生曲。

まぁ長くなるのでそのあたりはまた別の機会に。

 

そんな個人的な嗜好とは裏腹に、コンテナをサイドに置いて Music Video を彷彿とさせるあたり、かなり演出に力は入れてるっぽかった。

 

 

 

 

 

18. アディショナルタイム

 

前曲からのクオリティの高低差が凄い。

 

照明やスクリーンの演出はひなくりよりも大分シンプルなものだったけれど、むしろ曲と彼女たちのパフォーマンスが良すぎるせいで これが正解かとしれないとすら思った。

 

 

 

 

 

19. ってか

 

金村さんはセンター3連発。

 

体力的な心配を他所にパフォーマンスが落ちることはなかった。

 

ちょうど昨年の同じ時期、初めて目にした表題曲のセンターとして輝いていた金村さん。

 

そこから音楽番組を始めとした多くの舞台を経験して成長し、そしてこの日、その一年の集大成のような姿がそこにはあった。

 

パフォーマーとしての必死さから始まり、やがてセンターというプレッシャーのかかるポジションを担っているそんな状況でさえもどこか楽しんでいるような表情へと変化していく。

 

この曲の観るたびに感じていた一番の嬉しかった部分。

 

技というほどはっきりとしたものではないけれど、音楽とダンスを自分自身に纏って曲の物語や世界観を表現する姿はまさにアーティストだった。

 

 

 

 

 

20. VTR

 

デビュー曲の キュン から当時の活動とともに日向坂46のこれまでの歴史を振り返っていく。

 

8th Single の文字がスクリーンに映し出されると会場は拍手が巻き起こった。

 

ヒストリームービーが終わり、一室で撮影された映像の中のカメラが視線を上げる。

 

その先にいた彼女の姿に思わず声が漏れ、会場がどよめき、再び拍手に包まれた。

 

 

 

 

 

 

21. 月と星が踊る Midnight

 

センターにいたのは齊藤京子

 

誰もが嬉しくて

誰もが納得したと思う。

 

それほどまでに待ち望まれていた光景だから。

 

ソロパートから始まる歌い出し。

彼女にしては珍しく声が震えていたようにも聞こえたけど、初披露となる重圧もあったかもしれない。

 

暗い場所から希望の光を目指すような歌詞。

彼女のセンター曲として恋愛曲以上に似合っていると感じた。

 

疾走感のあるサビは、過ちを怖れず抗う気持ちを後押してくれるようなメッセージが詰め込まれていて、転調したラスサビではそのメッセージがより心へと訴えかけてくるように聞こえてくる。

 

齊藤京子だからこそ 良さが一層引き立っていたと言ってもいいほど、初披露にも関わらずハイレベルなパフォーマンスだった。

 

 

 

 

 

22. 知らないうちに愛されていた

 

前曲とどこか繋がっているようにも感じた。

 

 「まだまだ声は出せないけど、

 いつか皆さんとこの歌を歌えるように。

 それまで心で一緒に歌ってください。」

 

そんなキャプテンからのメッセージを受け取り本編を締め括った。

 

 

 

 

 

ENCORE

 

暗闇にちらほらと色付く光の中で手拍子が鳴り響く。

 

年齢層の若いアイドルファンは、普段は会場内の写真を上げたり平気でセトリをネタバレするので基本的にミスチル界隈より民度が低いんだけど、このときだけはありえないほど良かった。

 

もうオタクはずっとアンコールしてろよって思うくらい←

 

ミスチル界隈では聞けないであろう徐々に揃い始める手拍子は、スティックバルーン以上に気持ちを乗せたものだった。

 

 

 

 

 

EN1. キュン

 

寝起き即 目覚ましを止められそうなイントロの後、すぐに歌い出しが始まり、バックステージにアンコール服に着替えたメンバーが見えた。

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小坂さんはまだ戻って来られなかったけれど、代わりを担うかとしの「かわいい?」が強すぎる。

(2番は上手く聞こえませんでした) (たぶんマイクのせい)

 

僕なんか が良すぎて表題曲No.1を持っていかれたけど、それまでNo.1だったこの曲は今でも変わらず大好き。

 

聴くたびに見るたびにデビュー当時の初々しさを思い出すし、それが今でもどこか残ってるようにも見えるときがあって。

 

グループとしての最初のピースは今も変わらず特別なものだった。

 

 

ちなみにおたけはフライングしてなかったです。

 

 

 

 

MC

 

アンコールへのお礼とともに、改めて 8th Single の発売を伝えてくれる。

 

それでも歩いてる 以来のセンターとなった齊藤京子

 

中秋の名月のこの日に『月と星が踊る Midnight』という新曲を披露できたことが嬉しいと語ってくれた。

 

(いやそんなことより齊藤京子の口から "中秋の名月" って言葉が出てくることの方がレアなんですけど)

 

 

フォーメーション発表時

(京子がセンターだ...!) と喜んだキャプテン。

 

そして溢れた感情は本人の心に一生残る瞬間となっていた。

 

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こっちも泣きそうになる。

 

本当に最高のキャプテンだね。

 

ありがとう。そしておめでとう。

 

 

 

上村さんが今日一日を振り返る。

 

昨年の全国おひさま化計画のように、今年は全国をハッピースマイルにしたいとのこと。

 

「皆さんハッピースマイルになってくれましたか???」

 

なりました。

ハッピーを振りまいてくれたあなたのおかげです。

あなたの笑顔が何より大好きです。

 

そんな想いを込めて目一杯の拍手で応えた。

 

そして彼女の歌い出しとともに、おひさまが架ける虹のもとへとメンバーがやってきてくれる。

 

 

 

 

 

EN2. JOYFUL LOVE

 

この日一番たくさんのメンバーを近くで見られた瞬間だった。

 

笑顔で手を振ってくれるだけでこんなにも幸せになれるんだね。

 

アイドルって本当に凄いね。

 

 

「虹のアーチを作りたいと思います!」

 

キャプテンのその一言で会場はアーチを描くように虹のウェーブが発生する。

 

客席から見てもその光景は凄く綺麗だった。

 

君がしあわせならば

そう僕もしあわせな気がする

風が木々を揺らすように

笑顔は連鎖して行く

 

ツアータイトルにも相応しいフレーズがしあわせから生まれる笑顔の素晴らしさを改めて教えてくれた。

 

 

 

 

 

EN3. 日向坂

 

蘇る東京ドーム初日の記憶。

 

夢舞台で 約束の卵 を歌った後、グループの象徴とも言える笑顔でこの曲を歌っていたあの瞬間。

 

前を向く歌詞とともにその笑顔で明るい未来を呼び込むようなそんな雰囲気さえあった。

 

それを ハッピーオーラ って言うんだろうね。

 

そのハッピーオーラにスマイルを併せたさらなる 日向坂46 として、ハッピースマイルツアーの名に最も相応しい一曲で最後を締めてくれた。

 

 

 

 

 

Ending

 

初日という不安も吹き飛ばすほどの熱い声援に改めて感謝してくれるキャプテン。

 

そしてこれからも 日向坂46 は坂道を駆け上って行くことを誓ってくれた。

 

最後に全員で深々とお礼をして挨拶し、たくさんの笑顔を振りまいてくれた一日に幕を降ろした。

 

 

 

 

誰一人として曲を、演出を知らないツアー初日。

 

ライブのクオリティとはトレードオフかもしれないけれど、真っ白な状態のキャンバスに出会った音や思い出を描けるやっぱり特別な日であって。

 

そこに金村さんの記念すべき20回目の誕生日という一番の思い出が加わってくれた。

 

彼女にとっても素敵なバースデーライブになってくれたかな。

 

奇跡のような空間の中でたくさんのハッピーオーラとハッピースマイルを届けてくれた 日向坂46。

 

グループとしての第二章を歩き出した彼女たちはこれまで以上に多くの笑顔と幸せという体験を与えてくれると確信した。

 

そんな素敵なグループに出会えたことに改めて感謝を告げる特別な時間だった。

 

 

 

幸せの源はきっとここだったんだろうね。

 



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fin.

 

 

 

心に生きる永遠



 

Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス』

 

 

このツアー3度目の参戦。

 

福岡で初日と2日目を見届けた後、大阪の地で30年の集大成でもあるアニバーサリーツアーの最終日を見届けることができました。

 

本当に本当に感謝しかありません。

 

 

※ツアー初日のレポも書いてあるのでぜひ

※ドーム公演と同様の部分についてはなるべく割愛します(フラグ)

 

 

 

 

開演前

 

地下鉄を上がって少し歩くと目に飛び込んでくるこれ

 

 

この先に彼らが待ってると思うとスタジアムまでの道のりも暑さよりわくわくが勝ってた。

 

 

会場に着くと壁がないかのようにクリアに響き渡る音漏れ。

 

5年前の日産スタジアムよりもはっきり聞こえてきた。

 

しかも聞こえてくる曲が全部ドームで演奏していない曲。

 

入場前にばりばりのネタバレを喰らいながらグッズを受け取り、フォロワーさんともお会いした。

 

 

雨予報だと食べなかったであろう削りいちごも道民にはキツイ30℃の中ではすっごく美味しかった。

 

5年前の日産スタジアムでもかき氷を食べたりジュースを飲んだりしたなぁなんて思い出を振り返ってた。

 

 

そして今回も.........

 

 

 

 せ  い  ぞ  ろ  い  ! ! !

 

 

それぞれ1回ずつ押したい訳の分からない衝動は何とか抑えることに成功しました。

 

Sunny さんver.もあったみたいだけど出現率が低すぎてエンカウント出来ませんでした。

 

こうなれば買うしかないな

 

あれ、グッズ一覧に載ってないな

 

見つからないな ... 蜜空無いな ......

 

おかしいな ...... おかしいな .........

 

 

 

 

グッズ化いつですか!!!!!(威圧)

 

 

 

 

消毒液を見届けて(そんな日本語あるんだね)、会場に入ると青空の下に組まれたセットが目に飛び込んできた。

 

座席は福岡と反対側の中川さん側のアリーナGブロック。

 

ライブ参戦5年目にしてアリーナ童貞を卒業した Against All GRAVITY 札幌、(沖縄も実質アリーナ)、そして先日の福岡と全てAブロックとかいう優勝請負人だったので、後ろめでも納得。

 

日産スタジアム規模で想定していたので遠いかななんて思っていたけど、いざ目にすると予想よりも近く、高さがなくてもステージがしっかりと見えた。

 

 

やがてドームのときと同様に 優しい歌 のストリングスが流れ、会場に手拍子が響く。

 

曲が終わり手拍子から拍手へと変わりゆく中、遠くに飛んでいた収録用の空中カメラがこちらへやってきて、みんなが手を振る。

 

映像デビューしてたら出演料もらおうかなぁ。

トイズファクトリーさん、まってるね?

 

 

 

 

 

01. ※Opening

 

映像、SEともにドームのときと同じ。

 

それでも30周年というアニバーサリーライブが始まる瞬間は3度目にしてもわくわくが止まらなかった。

 

やがてSEがヒタッと止み、数秒続いた静寂を切り裂くように響いた音は福岡で耳にしたものと違うものだった。

 

 

 

 

 

02. 終わりなき旅

 

イントロとともにスクリーンに映し出されるブルーフラワー。

 

一番見たくて、一番聴きたくて、一番支えてくれた曲。

 

嬉しさを越えた感情が身体中に押し寄せて鳥肌が立ち、目頭が熱くなった。

 

 

「この曲だけは過去じゃなくて、皆にとっても僕らにとっても、ただただ未来だけを見据えて」

 

 

そう口にして25周年のラストを飾ったこの曲が、半世紀を見据えた30周年の一曲目として演奏されたことで、改めて変わることのないその想いの強さを感じた。

 

 

胸に抱え込んだ迷いが プラスの力に変わるように

いつも今日だって僕らは動いてる

嫌な事ばかりではないさ さあ次の扉をノックしよう

もっと大きなはずの自分を探す 終わりなき旅

 

本当に勇気をくれる。背中を押してくれる。

 

未だに先の見えない今の状況下からでも さらなるバンドの姿を探して新しい道へと踏み出していく。

 

一曲目にしてそんな彼らの決意が見えた。

 

 

「どんなものにもきっと終わりはあるのだと、今はそう思っています」

「でも、だからこそずっと!続いていくことを願って。だからこそ、今ある情熱のすべてを、エネルギーのすべてを音に変えて、声に変えて」

「今日2022年6月19日、ヤンマースタジアム長居、人生最高の音をみなさんにお届けしたいと思っています。どうぞ最後までよろしく!」

 

「僕らが、"Mr.Children" です」 

 

 

終わりがあるからこそ続くことを願える。

その願いに情熱を捧げた 終わりなき旅 が未来を見据えたアニバーサリーツアーの一曲目の最高の音として会場に響き渡った。

 

 

もう一度 "終わりなき旅" のフレーズを繰り返した後、アウトロを迎えることなく勢いよく次のイントロを弾き出した。

 

 

 

 

 

03. 名もなき詩

 

序盤からミリオン曲を続けて持ってくる。

強すぎる。

 

野外で空に響き渡るこの曲も大好き。

 

君が僕を疑っているのなら

この喉を切ってくれてやる

 

「想いの大きさを伝えるのに気がつけば書いていた」という詞は、Aメロにして君に捧げる狂おしいほどの想いが伝わってくる。

 

ましてや声を生命線とするボーカリストの口からそのフレーズが飛び出すあたり、当時の作詞センスが本当にずば抜けていたんだなと感じた。

 

 

声の調子は絶好調ではなかったけれど、Against All GRAVITY のときにアレンジした「自分の胸につきささる」は、少し喉が心配だったけど無理やり原曲どおりのメロディで歌っていた。

 

その分(?)、ラスサビの「知らぬ間に築いてた」は年々発声しづらくなってるイ行なのもあってファルセットだった。初めてなんじゃないかな。

 

愛情ってゆう形のないもの

伝えるのはいつも困難だね

だから darlin この「名もなき詩」を

いつまでも君に捧ぐ

 

"ちょっとくらいの" の歌い出しから始まり、ラスサビには転調と次第に大きくなっていく愛。

 

でも「最後は "ポツン" と終わりたかった」というまさに 名もなき "詩" としてこれほどまでにない綴り方、歌い方で締め括る。

 

思い切り愛を捧げるこの曲とは対照的に、手紙 や Mirror といった戻ってこない愛を歌った曲もストックされている『深海』

 

やっぱり凄いコンセプトアルバムだね。

(いつからアルバムレビューになったん?)

 

 

 

 

 

04. ※海にて、心は裸になりたがる

 

今までドームやアリーナでしか演奏してなかった分、明るい野外で聴けるのは新鮮だった。

 

相変わらず間奏中に謎ダンスを披露する和寿。

ダサいけど可愛いからまた見せてね。

 

2番を歌い終え「実は "前から" 気になっているよ」とニヤニヤしながら定位置に向かいマイクを向ける.........

 

 

めちゃんこ声出てたナカケーさん。

 

何が良いって、叫んだあとの少年のようなニッコニコの笑顔ね、もうあれ反則だと思う、だってあの顔嫌いな人いないもん、みんな大好きじゃん、ずるいって()

 

そんなナカケーさんの叫びに負けない心の叫びを手拍子とともに届けた。

 

 

 

「さあ最高じゃない??」

 

JENのリズミカルなドラムに合わせて和寿が観客を煽ると、その勢いをカウントに乗せて往年の名曲でさらに畳み掛けてくる。

 

 

 

 

 

05. シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜

 

福岡2日目のとき、始まる前のJENのドラムテンポが前日の innocent world より速くなってた違和感に気付いてイントロで納得した思い出。

 

あれ、そういえば福岡2日目のレポはどこいったんだろうね。

(※書き終わってしばらく経ってから投稿していないことに気付き、公開するタイミングを見失って下書きに幽閉されています)

 

ラスサビには特効もあり、4曲目にして会場は風が吹いても冷めることのない熱気に包まれた。

 

 

それと最後の「勇敢な恋の歌」の部分、溜めすぎてメンバーもお客さんもみんな笑ってました。

(このときの田原さんの苦笑いのような表情!!)

(924那由他ポイントくらい差し上げたい!!!)

(いつからポイント制になったのかしら!!!!)

 

福岡や配信で見た東京ドームよりも溜めてて、一回息切れたのに「うぅ〜〜〜......」って言ってるの もう半分和寿の悪ノリみたいなところもあって。笑

 

 

次からは和寿のイタズラってやつも考慮しないとね(?)

 

 

 

「この曲を歌ってるときに見る皆さんの笑顔が大好きです」

 

「後ろまで顔や動きが見えるこういった場所で歌うこの曲が大好きです」

 

そんな大好きを更新させてほしいとサビのフレーズを歌い始める。

 

 

 

 

 

06. ※innocent world

 

ドームのときと違ったMCを聞いて、明るい野外で歌うのが好きなんだと知った。

 

それから東京ドームのときもそうだったけど、サビから始まるスタイルは、ドラム → カウント → イントロで始まった福岡初日と違って、両方聴けたのは嬉しかった。

 

そしてこの日初めてこちら側にやってきた田原さん。

 

2番始めに笑顔で手を振ってくれました。

 

 

かっこいい!! 可愛い!! 尊い!!  

52歳!! 意味わからん!! 神!!

 

 

距離があってもその優しさが十二分に届いてきて、連れに「タハラサン!!! テ フッタ!!!」と興奮気味に伝えてた(らしい)

 

やっぱりこの曲を語るにあたって彼は絶対に欠かせないことがわかった。

 

ラスサビでは心で歌う僕らにメロディを譲り、マスク越しでも大好きな笑顔を見ようとその光景を楽しむボーカリストがそこにいた。

 

 

 

 

 

07. MC

 

「どうもありがとーーー!!!!!」 

「改めまして Mr.Children です!!!!!」

 

何度聞いてもたまらない挨拶。

 

「最高じゃない???」

「雨だと思って来たけどどうですかこの天気!」

 

一週間前まで一日中雨だった予報は、青空が見えて心地良い風が吹く最高のコンディションへと変わっていた。

(本当は少しだけ SENSE -in the field- みたいなライブも期待してたのはここだけのお話ね?)

 

ドームのときと同様に、歌うことも叫ぶこともできない僕らの分まで思いっきり歌って演奏してくれることを約束してくれた。

 

そして席を空けることなく5万人を超えるお客さんが入ってくれる数年前まで当たり前だった光景に感謝を告げ、改めて『ライブ』が愛しくて大好きだと口にした。

 

 

「ライブというホームグラウンドに "ただいま" と "おかえり" の意味を込めて」
「音楽とともにある日常を愛でるように感謝して」

 

家のような温かくて優しい空間があること、そんな場所に帰ってこれたことに喜びを感じながら歌ってくれた。

 

 

 

 

 

08. 彩り

 

陽が傾いた涼しい野外に響く半音下げの優しいメロディは時より吹く風よりもさらに心地良かった。

 

涼しい場所で気持ちよさそうに演奏していた昨年の ap bank fes '21。

 

きっとその時と同じような環境だったことに加えて、有観客で聴く「ただいま」「おかえり」はやっぱり特別なものだった。

 

彼らとの再会に大きな声で「おかえり」と応えたかった気持ちはどうしても拭えないけれど、MCで口にしていたように、僕らの分まで「おかえり」と歌ってくれたと信じてる。

 

その感謝も込めて次こそみんなで「おかえり」と大きな声で伝えられるといいな。

 

 

 

「こんなに楽しくて温かい僕らの現在がもう2度と途切れないように」

 

再会、再開を迎えて改めて感じた今があることへの感謝。

その瞬間が続くことを永遠に祈るように、遠く響かせるように風に歌声を乗せてくれる。

 

 

 

 

 

09. 口笛

 

風が吹く中で聴くこの曲も 彩り と同じくらい心地良いものだった。

初ライブの REFLECTION 以上だった。

 

形あるものは次第に姿を消すけれど
君がくれた この温もりは消せないさ

 

終わりなき旅 のときに口にしていたように、どんなものにも終わりはあるけれど、心にもらった形のないものは忘れない限り永遠に残り続ける。

 

楽しくて温かいその瞬間は、物よりも、言葉よりも確かなものとして、この先も途切れることなく続くと証明してくれるように笑顔で歌ってくれた。

 

 

 

 

 

10. MC

 

センターステージへと場所を移す。

6月の第3日曜日でもあったこの日は父の日。

 

「お父さんいる???」

 

ちらほらと手が上がる会場。

 

「いつもご苦労さまです」

 

自分がお父さんだったら、きっと一生の思い出になるんだろうなと思った。

 

「子どものため、家族のため、日本のため、いつもありがとうございます」

 

組織の中で頑張るサラリーマンへのメッセージ。

(この後 everybody goes でもやるの?)

なんて思ったりもして。

 

そしてお父さんを家に置いて来ているお母様方にも声をかける和寿。

会場はむしろこっちの方が多かった。

 

「ちゃんとフォローしといてくださいよ?」

 

「 "Mr.Childrenがお父さんいつもありがとうって言ってたよ" ってことを伝えてください(笑)」

 

お母さんや子どもを使って評価を上げようとするの笑っちゃった。

 

そういうズルいところも好きだけどね。笑

 

 

そして田原さんと Sunny さんをセンターステージへと迎えると

「車の運転席に座っているような気持ちになる」

と座りながらデビュー前から演奏していた曲を静かに歌い始める。

 

 

 

 

 

11. 車の中でかくれてキスをしよう

 

和寿の弾き語りでバックに蒼い海が映し出された Thanksgiving 25 のドーム公演が浮かんだ。

 

そういえばあれも映像化されてないよね。

Any のときと同じくまだ諦めてないからね?

 

今回映像はなかったけれど、前曲で作られた優しい空間に溶け込むように歌われ、原曲以上に綺麗なピアノとアコギのアウトロはこの日一番と言ってもいいほどの綺麗な音を奏でていた。

 

そういえばアマチュア時代のこの曲がバンドアレンジだったのを知ってるのは君と僕とあと何人いるかな(え?)

 

 

 

 

 

12. S.MC

 

お休みしていたナカケーさんとJENを呼ぶ。

 

いつものようにおちゃらけながらセンターステージにたどり着いたJENと話す和寿。

 

「涼しいねぇ...... (何か言ったJENに向かって) ん? 雨降ってる? いい加減なこと言わないでください(笑)」

 

このラジオみたいな(ラジオのときよりも)緩いほのぼのとしたオフモードの会話大好きなんですよね。

この雰囲気も30年続いてきた理由の一つであって。

この先もこの関係が続いてほしいな。

 

全員が揃ったところで改めて「心地良い空気の中で」ともう一曲届けてくれた。

 

 

 

 

 

13. Sign

 

何度聴いても綺麗としか言いようがないピアノイントロ。

自分で弾いてるときもそう思う(自画自賛的な意味じゃなくて)

 

残された時間が僕らにはあるから

大切にしなきゃと 小さく笑った

 

有限であるからこそ、「ありがとう」「ごめんね」を繰り返してその一瞬を大切にしようと思えるんだよね。

 

Against All GRAVITY のとき以上に「ありがとう」に気持ちがあったのかな。

 

 

そんなことを考えている.....................え?

 

 

 

 

 

14. ※SE

 

※ドームのときと同じだったため割愛

 

 

 

 

 

15. ※タガタメ

 

暗くなりきる前での演奏。

本音を言えば夜空に光る本物の星を見たかったな。

 

心の底から訴いかけるような重みのある声と音。

ツアー最終日でもこの曲の情熱は凄かった。

 

ライブの彼らを知らない人に体感してほしい。

会場でしか味わえない魂を込めて演奏する姿とその音はそれほどのものだから。

 

 

 

 

 

16. ※Documentary film

 

前曲の勢いを一度落ち着かせるように丁寧に歌う。

 

ドームのときもそうだったけど、声を張る タガタメ の後なだけあって喉が完璧に出来上がっていた。

 

歯車とその中に彼らが映るライブとしての演出はもちろん、曲としてのギター、ピアノ、バイオリンの音も何度聴いても素晴らしく、改めて音にこだわった SOUNDTRACKS というアルバムに相応しい曲だと感じた。

 

 

 

 

 

17. ※DANCING SHOES

 

後退りしたり

地団駄踏んだり

なに!?このくだり?

繋がれた鎖

 

サルバドール・ダリ

ってちょっとグロくない?

普通じゃない感じが良い

かせられた負荷に

 

全部韻踏んでるのほんとにすごいよね。 

映像に出てきた蟻も(AI)だし。

 

韻踏むとか気にせずに見ても、皮肉った普通じゃない歌詞がたまらなくて。

 

深海の頃まではいかずとも、その頃みたいな攻めた歌詞が令和に出ることを待ってた。

 

だからこそ曲調も含めて初めて聴いたときの衝撃は忘れないし、生で聴くとさらにワクワクとゾクゾクが増してたまらなかった。

 

 

 

 

 

18. ※LOVE はじめました

 

アコギ!!!!! たまらんっっ!!!!!

(youthful days のときにも同じ症状を確認済)

 

wonederful world でも blood orange でも見られなかったその姿と音がめちゃんこかっこよかった。

 

インタビューはチルオタの長谷部さん。

もしかしたら福岡もメッシじゃなくて長谷部さんだったかも。

(少し聞き取りづらかったのでお許しください)

 

両手を突き上げるピースサインはやっぱりテンションが上がって楽しかった。

 

 

 

 

 

19. ※フェイク

 

福岡ではMステのリベンジに成功した腰振りチャレンジ.........

 

 

大阪では失敗に終わりましたっっっっ!!!!!!!!!!

 

 

 

あ、今回のツアーは TAKE OFF が過去一長かったです、はい(冷静)

 

 

 

 

 

20. ニシエヒガシエ

 

ちょっと意外だったのはイントロのときのどよめき。

Tomorrow never knows 以上だったかも。

 

田原さんのギターリフを追うように特効が放たれ、立て続けのロックナンバーに会場はさらに飲み込まれていく。

 

5階の天空席で聴いた当日参戦の福岡2日目も全体の盛り上がりを見られてすごく楽しかったけど、やっぱりアリーナ席でその盛り上がりの中にいるのは格別だった。

 

アウトロ後の余韻に浸る間も無く立て続けに次曲へと入る。

 

 

 

 

 

21. ※Worlds end

 

ハードなドラムとピアノの疾走感あるイントロは I ♥ U の中でも一番好き。

 

ちなみに Music Video も Mr.Children の中で一番好きです。

 

 

この曲も終わりがあることを意識した選曲かな。

最近のライブでは毎回演奏して少し飽きてきた人もいるかもしれないけど、 I ♥ U 大好きオタクはいつでも大歓迎だし何なら次のツアーセトリに入ってても良いとすら思ってる。

 

ライブで化ける一曲として、この日も30周年という大きな経験値から作り上げるその壮大なバンドサウンドでスタジアムを一つの世界として支配していた。

 

ファルセットを絡めながらのアウトロでは、情熱のすべてを声に変えたようにこの日一番のロングトーンが響き渡った。

 

 

 

 

 

22. ※MC

 

「ゆっくりと時間をかけて たくさんの愛情や思い出を吸い込んで大きい歌になってほしい」

 

曲自体のインパクトよりも、聴き手に寄り添うような、寄り添った音を離したくなくなるような、そんな曲に注がれる想いが次第に大きくなっていくことを願って新しい曲を届けてくれた。

 

 

 

 

 

23. ※永遠

 

満開に咲き誇る桜を背に奏でるそれぞれの音は福岡以上に綺麗に聞こえた。

 

歌い出しに少し不安定な感じはあったけれど、美しく切ないメロディに乗せるその詞と声は、"桜のような僕の恋人" の物語に寄り添う主題歌としてあまりにも完成されているものだった。

 

映画はもちろん、原作の小説も素晴らしいので まだ読まれていない方はぜひ手に取ってほしい。

 

これ以上書いても福岡のときのレポを越えられそうにないので次へ。

 

 

 

 

 

24. ※others

 

暗闇に包まれたドームとは逆に、夕焼けの下で歌われるディープな詞。

空の色にマッチするその淡い大人の雰囲気はこの上ない贅沢な空間だった。

 

夜の首都ビルに登るスクリーンの満月がオレンジ色の空の下にある非現実的な光景は、どうしてか本物の月光以上に美しさを感じた。

 

 

 

 

 

25. ※Tomorrow never knows

 

イントロともに拍手が起こると福岡と同じくこの日一番の手拍子が続く。

個人的にこの曲での手拍子はあまり好みではないんだけどね。

 

やっぱり一番を完璧に歌い上げてくる(n回目)

何度も何度もライブで歌われ、身体に染み込んだ彼らを代表する名曲は、それほどまでにトップアーティストとしての完成度を誇っていた。

 

 

 

 

 

26. 光の射す方へ

 

闇の向こうに手を伸ばして見えた明るい希望の光に向かうような前曲との繋がり。

 

すっかりと陽が落ちた暗闇の中でJENの4つ打ちドラムが始まると「さぁここからまた行くぞ!」と言わんばかりに田原さんのギターリフが響き、アコギを掛けた和寿が合流するとともに会場の熱気が一気に戻ってくる。

 

この日の「夏休みのある小学校時代に帰りたい」はファルセットだったけど、ビブラートの効いた完璧なものだった。

 

ちなみに前日はシャウトだったらしい。

まあでも個人的に未完ツアーのシャウトが Mr.Children 史上一番だと思ってるので(そうですか)

 

 

限りある またとない永遠を探して

 

選曲理由、これだね(満場一致)

 

 

終盤の "光の射す方へ" ではロングトーンとともに夜空に向かって花火が上がり、会場は拍手に包まれた。

 

 

 

「まだまだやらせてほしいんだ!」

 

そう告げると、歌い出しからそのメッセージが強い一曲でさらに畳み掛けてくる。

 

 

 

 

 

27. fanfare

 

悔やんだって後の祭り

もう昨日に手を振ろう

さぁ  旅立ちのときは今

重たく沈んだ碇を上げ

 

優しく丁寧な歌い出しに大きく手を振って合図を送る。

その合図で彼らは音を引き連れて半世紀への船出を切った。

 

今回はロングトーン控えめだったけど、ラスサビ前の盛り上がりは Mr.Children の中でもトップクラス。

 

ここまで身体を熱くさせてくれるのかと "ライブ化け" を初めて体験した初ライブの REFLECTION から7年。

この日もその熱さはしっかりと感じた。

 

それから相変わらず袋のネズミちゃん(そういう意味じゃない)は帰ってこないけど.........

 

 

ずっと待ってるからねっっっ!!!!!

 

 

 

「この楽しい今を忘れないために」

「大変だった昨日を忘れ去るために」

 

思うようにいかなかったこの2年間。

そんな過去をキラキラと輝く一生忘れない夢の時間で上書きしようと僕らを誘うように声を掛ける。

 

ドラム、ピアノ、ギター、ベース、手拍子が揃ってリズムを刻み、やがてポップできらびやかなメロディーラインが夜のスタジアムを彩る。

 

 

 

 

 

28. ※エソラ

 

この日のクライマックスを迎える。

声を出せずともイントロからアウトロまで5万人を超える観客の一体感は凄まじかった。

 

"楽しい今" として音楽があることに改めて感謝しかなかった。

 

ラスサビでは銀テープが放たれ、歓声の中で風に揺られてヒラヒラとキラキラと舞い落ちてくる。

 

楽しい時間とともにその証を掴み取り、ライブのない空白の時間を記憶から消す為に、目一杯この空間を楽しんだ。

 

 

 

 

 

29. S.MC

 

「この景色をずっとずっと待っていた」

 

「たくさんの笑顔と拍手をイメージしながらいつか絶対できると思っていた2年間だった」

 

先を見据えた曲たちを演奏してきたこのライブ。

最後に「握りしめていたこの想いを受け取ってほしい」と30周年を迎えられた感謝を乗せて歌ってくれた。

 

 

 

 

 

30. ※GIFT

 

"僕ら" 探してた  最高のGIFTを

 君が喜んだ姿を  イメージしながら

 

彼らからの感謝。

音に乗せたその想いはまさに "最高のGIFT" だった。

 

もうどんな場所にいても  光を感じれるよ

 

会えないときも支えてくれた光のような存在だった音楽は決して消費されるものではなく、心に残り続ける永遠のものだった。

 

気持ちを乗せた音として永遠に残り続ける音楽は、人生という限りある時間の中で輝く宝物だと教えてくれた。

 

今 君に贈るよ  気に入るかな?  受け取ってよ 

君とだから探せたよ  僕の方こそありがとう

 

メンバー全員で歌ってくれることが本当に嬉しかった。

歌えない僕らの分までということ以上に、彼ら全員が "ありがとう" と想いを込めて歌ってくれていることが何よりも嬉しかった。

 

いつまでも光り続けるGIFTを受け取った証を手を振って示し、全員が笑顔となって本編を終えた。

 

 

 

 

 

31. Encore

 

※ を外しているのは、アンコールという時間が当たり前に用意されているものではないから。

 

拍手や手拍子でもう一度演奏を聴きたい気持ちを届けることが本来あるべき姿だよね。

 

今の流行り病以上にスマホライトが減る未来は見えないけど、どんな席になっても周りには必ず彼らに拍手や手拍子を送る "誰か" がいる。

 

そんな "誰か" がこの先も消えないことが、本来の光景に戻る希望なんだろうね。

 

 

彼らがもう一度ステージに姿を現し拍手が送られる。

 

僕らの想いに応えるためにどんな曲をやったらいいかとすごく悩んだという。

 

「あれ、まだあの曲やってないな? って思う人もいるよね?(笑)」

 

 

あ、それ、ぼくのことですね。

(陰キャオタクは手を上げられなかった模様)

 

I'LL BE (Single ver.) はいつかなーって510回くらいは思ってるよ!8年前のアンケート覚えてる?2位の曲だよ和寿!

夏の野外で響く "それ " いつか期待してるね?

 

 

そんな思いに応えられる曲であってほしいと願いを込めて、日本を代表するあのイントロが夜空の下で響いた。

 

 

 

 

 

32. HANABI

 

思わず漏れるどよめきと拍手は、多くの人たちの思いに応えられたことを証明するのに充分だった。

 

何度も聴いてるはずなのに、いざそのイントロを耳にすると電流が走るように身体が反応し、その音を吸収する。

 

ap bank fes '12 以来(?)で自分は初めて聴く半音下げは新鮮さもあって。

 

一番有名でもあるレスポンスで声が出せないのはやっぱり歯がゆさがあったけれど、どこか幻聴のようにファンの「もう一回  もう一回」という声を感じた。

それだけライブという場所に置かれた身体は、その曲の本来あるべき姿を覚えていたということなんだろうと思った。

 

逢いたくなったときの分まで

寂しくなったときの分まで

もう一回 もう一回

もう一回 もう一回

君を強く焼き付けたい

 

多くの人の思いに応えるだけでなく、3年ぶりの再開となったこのツアーにもぴったりな一曲だった。

 

 

 

 

 

33. ※MC

 

ドームのときと同じように Sunny さんから始まるメンバー紹介。

 

Sunnyさん

「ツアー完走おめでとうございます」

 

(お声!!!!! 聞けた!!!!!)

 

綺麗なメロディを弾いてくれて、体調を崩すことなくこの日までツアーを回ってくれて、誰よりも彼らをサポートしてくれて、こちらこそ本当にありがとう と拍手でその想いを届けた。

 

それから和寿の紹介がこれまで以上に彼を褒め称え、感謝を口にする紹介ですごく温かかった。

 

 

JEN

「めでたく30周年を迎えられました」

「あまりお礼を言えない方々にお礼を言わせてください」

 

初日のおちゃらけMCとは打って変わり、感謝を述べるJEN。

(福岡2日目から裏方さんへの感謝を述べるようになりました)

 

「日本一のスタッフだと思っています!」

 

今回のツアーだけでなく、これまでの活動を支えてくれたスタッフさんにファンからも改めて拍手を送る。

 

友人や会えなくなってしまった人にも感謝を述べた優しい雰囲気から一点して彼のスイッチが入りました。

 

「そ! し! て! あなたがたぁーーーっ!!! お客さんがいないと!僕らは!なーんにも!できないんですっ!!」

 

ドラムを武器におちゃらけモード全開。笑

そんな中でも「ありがとう」という言葉を掛けてくれたのは、その感情が本物であるしるしだった。

 

 

 

中川さん

「ライブ会場で皆さんからもらえるエネルギーは、僕らが進む道を照らしてくれたり、背中を押してくれる温かいものだと感じています。」

 

そんなエネルギーを30年もらえてきたことに改めて感謝しかないと「ありがとう」と口にした。

 

「自分たちの信じた音をまた届けられるように」

 

最後にそんな願いを込めて再会を望んでくれた。

 

 

田原さん

「おんなじことを言います」

話の入り方上手くなっててちょっと笑っちゃった。

 

「皆さんの愛してくれた曲、大切にしてくれた曲、応援してくれた曲、今日それらの曲を演奏していると、皆さんそれぞれの想いが海洋にキラキラと光っていてとても美しかったです。本当にありがとう。」

 

「みんなの生活に少しでも近づけるような音を出せればと思ってます」

 

「これからもよろしく」

 

表現が本当に素敵だった。

福岡で口にしていた "水面" から "海洋" へと変わっていたのは、ツアーの中で感じたその輝きが次第に大きくなっていったってことなのかな。

 

そして彼もまた「ありがとう」と伝えてくれた。

 

 

「たまには紹介させてください」

 

まさかの田原さんによるボーカル紹介。

 

「ボーカル、ギター、その他すべて、桜井和寿

 

"その他すべて" の投げやり感に笑った。

 

 

2年間このツアーを目指してきたと思いを語る和寿。

 

ツアー最終日のこの日、一曲一曲が終わるたびに

「あぁもうこの曲しばらくやらないんだ、この曲を歌っているときのみんなの姿が見れなくなるんだ」

と寂しくなったという。

 

それでもマスクを外して大きな声で叫べる再会が来るときは、彼らも今以上に進化した姿であってくれると寂しさとは真逆の強い決意を胸に約束してくれた。

 

 

ここからまた強くたくましく楽しく過ごしていってほしい」

 

そんな願いをタイトルにも込め、このツアーを締め括るのに相応しい力強い音を鳴らした。

 

 

 

 

 

34. ※生きろ

 

 

演奏を重ねるごとにその力強さを増してきた曲。

 

ツアー最終日のこの日、初日と比べて演奏の完成度も素晴らしかった。

 

ここから

またひとつ  強くなる

失くしたものの分まで

 

失われた2年間を取り戻すような3時間半。

 

この日体験した夢のような時間は、これからを強く生きていくのに大きな大きな支えとなってくれる。

 

そう信じられる確かな思いがあるのは、彼ら自身がこの先も強く生きていくと一音一音はっきりと示されたバンドサウンドでそれを証明してくれたから。

 

思いきり笑えるその日が帰ってきたときもなお、心に生き続けるであろう30周年の集大成とも言える音でこのツアーを締め括った。

 

 

 

 

 

35. Ending

 

「どーもありがとうございました!!!」

Mr.Childrenでした!!!」

 

改めて言葉で感謝を伝えるとともにステージ端まで足を運び深々と頭を下げる。

 

この日もバックの 優しい歌 のサビで全身を使って両手を突き上げてくれるJEN。

和寿も控えめながらやってくれてたの、ちゃんと見てたからね。

 

最後まで本当に本当にありがとう。

 

そんな感謝を込めて目一杯手を振り拍手を送った。

 

「僕ら4人が Mr.Children で本当に良かった」

「サポート、キーボードが Sunny さんで本当に良かった」

「このスタッフたちとともにツアーを回ることができて幸せだった」

 

彼らを支える周りの方々への感謝を口にするとともに、Mr.Children というバンドが30年の長い時間存在できたことに彼ら自身が良かったと思えていたことが本当に嬉しかった。

 

「何より皆さんが Mr.Children の音楽を聴いてくれるファンであることを誇りに思います」

 

最後に僕らへの感謝も伝えてくれた。

 

自分自身、Mr.Children という音楽に出会えたことは人生の大きな大きな財産であって、その出会いを誇りに思ってる。

 

お互いに感謝しあえる関係を築き上げられる限り、このバンドは10年先も20年先も半世紀後も続いていくんだなと感じた。

 

 

 

 

約3年ぶりとなるツアーが発表されてからこの半年間、本当に幸せな毎日だった。

 

音楽に生かされていると改めて実感し、その生き甲斐は日常では得られないものだと、この空間でしか得られないものだと身を持って味わった。

 

 

その機会に3度も巡り会えたことは一生忘れない。

 

 

 

次の再会まで心に生きているから。

 

 

再会を経てもなお 力強く生き続けるから。

 

 

 



 

 

fin.

 

 

 

再会



 

Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス』



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おかえりっっっっっ!!!!!!!!

 

 

ついに

 

ついに

 

このときがやってきた。

 

何日待ったことだろう。

 

何年待ったことだろう。

 

2019年6月2日。

 

この目で見た最後の日。

 

彼らが再開を始める、彼らとの再会となる日が一日でも一秒でも早く来てほしくて、気付けば福岡という地でその日を迎えた。

 

 

 

 

開演前

 

地下鉄に乗りPayPayドーム(いや名前)を目指す。


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駅から遠かった。

福住駅から札幌ドームくらい遠かった。


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ベストアルバムのCMが流れていた。

ドーム前の階段を登る前に聞こえてきたわくわくする音の正体はこれだった。


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グッズ展示。大音量で流れる過去曲。

グッズ列に並ぶたくさんのチルオタを見てライブが帰ってきてくれたことを実感する。


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ツアトラも3年ぶりだね。

アイドルライブにはなかったから久々に見られてすごく嬉しかった。



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ツアトラの向かい側には車で売ってる何たらケバブまであって。

 

そんなことより.........


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な ん で す か こ れ は ! ! !

 

 

たぶんチルオタの92.4%は欲しがってました(おみず調べ)

 

グッズ受け取るときに「これも頼んだやつです!」って言いながら持ち逃げする作戦も思いつきました。

スタッフの女の子がかわいそうだったのでやめました。

 

グッズ化いつですか???

 

 

そんなこんなありましたが、ツアーTシャツに着替えて会場へ。

 

 

 

座席はAAG札幌ドームに続いてまさかまさかのアリーナAブロック。

 

しかも札幌のときは中川さん側だったのが、この日は10m前に田原さんポジション。

 

 

勝 ち ま し た (何 に)

 

 

ちょっとチケットボードさんったら最後に会った沖縄に続いてまた推しの目の前ポジションくれるなんてもうなんて素敵な会社さんなのかしら!!!!!!!!

 

これはもう実質田原さんがおみずを呼んでるってことですよねっっ!!!(幻聴)

 

 

そんな開演前からの気持ちの高まりは会場内のアナウンスまでも、これから始まる夢の空間を歓迎してくれるように聞こえてきた。

 

ちなみに今回も Against All GRAVITY のときと同じく会場内にメンバーセレクトと思われる曲が流れてたんだけど、その中の一曲に Alone Again (Naturally) があって。

 

(これ和寿セレクトやろ)

 

席に着きながら笑ってました。

 

 

開演数分前のアナウンスが終わるとともに、バックグラウンドに美しいバイオリンアレンジの 優しい歌 が流れ、手拍子が会場を包み込む。

 

声が出せたらサビのレスポンスもみんなでできたのかな。

 

そんな少し寂しい気持ちも、これから始まる夢の時間に期待を膨らませた手拍子がかき消してくれた。

 

やがて照明がゆっくりと消えていき、拍手とともに待ち焦がれた時間が始まる。

 

 

 

 

 

01. Opening

 

memories のイントロをSEに、森の中をさまよい歩く男女がスクリーンに映る。

 

(そうきたかーっ)

(それは予想できないぜ和寿)

 

memories を一曲目に持ってくる理由を想像しながら「ねぇ 誰か」の歌い出しを受け止める準備をする。

 

しかしイントロが終わっても声は聞こえず別のSEが流れる。

 

(え、ちがうの?)

 

森の中を歩き続け、やがてあの回転扉越しに出会った男女。

 

目の前に姿はあるのにその存在に触れられない。

変わっていった今の世の中を表しているようにも感じた。

 

 

やがてエントランスタワーが映された後、30年分のジャケットに加えて、これまでのMusic Video、映像化された全てのライブが時系列順にスライドで流れる。

 

Thanksgiving 25 のときはサポートメンバーが奏でるポップな音色で "感謝祭" のツアータイトルに相応しい演出だったけど、この日は少し切ないような、それでいて壮大さが徐々に徐々に増していくSEで、30年という月日で築き上げてきた Mr.Children の全てを表したようだった。

 

壮大な宇宙へと飛び出した回転扉を追うようにJENのカウントが聞こえると、その壮大さを秘めた一曲で記念すべきアニバーサリーライブが幕を開けた。

 

 

 

 

 

02. Brand new planet

 

カラフルな衣装を身にまとったボーカリスト

グレーのTシャツのベーシスト。

赤いベルベット服のギタリスト。

映える白シャツのドラマー。

 

姿が見え、声が聞こえた瞬間、目頭は熱くなり、鳥肌が立った。

 

3年近く待ち続けてきた再会。

 

 

「新しい「欲しい」まで  もうすぐ」

 

 

ライブが発表されて

チケットが当選して

そしてライブ当日を迎えて

 

何日も、何か月も前から準備してきたはずなのに、何よりも欲しがっていた目の前に広がる光景を身も心も受け止めきれなかった。

 

ドームの広い空間に響き渡る4人の音を必死に吸収した。

 

何万もの人たちと同じ時間、同じ空間で音楽をともにする光景と、その音楽を奏でる大好きな人たちの姿に改めて "ライブ" という空間が帰ってきてくれたことを実感した。

 

 

 

「覚えてますかこの感じ!!」

 

「みんなとの再会を首を長くして待ってました!!」

 

アコギで軽快な音を奏でながら、我々と同じくらいに彼らもこの空間を待ち望んでいたことを告げてくれる。

 

もうそんなこと言われたら泣きそうになるじゃん!!!

やめてよね!!!

(たぶん半泣きくらいになってた)

 

軽快なアコギと和寿の合図で、何年経ってもフレッシュさが溢れる一曲が始まる。

 

 

 

 

 

03. youthful days

 

時が経てば曲にも味や芳醇さみたいなものが乗ったりするんだけど、発売から21年が経ってもそれが良い意味で無くて、発売当初の新鮮さみずみずしさがあるんだよね。

(彼等と出会う前で発売当初の新鮮さなんてわかってないんだけど)

 

2曲目にしてジャケットを脱いでる和寿。

 

イントロの田原さんのギターもすっごく大好きなんだけど、それと同じくらい間に聞こえるアコギの音がたまらない。

 

 

「かんぱーーーいっっ!!!」

 

力いっぱい右手を突き上げ、待ち望んでいた再会を祝福する。

 

 

「最高だ福岡ーーーっっ!!!」

 

ここから始まる記念すべきライブ、記念すべき一年を盛大に祝い合った。

 

 

 

 

 

04. 海にて、心は裸になりたがる

 

前回ツアーの本編のトリを飾った一曲で会場のボルテージをさらに上げてくる。

 

 

「心の中で!!!」 「心で叫んで!!!」

 

レスポンスがあるサビのフレーズで声を掛けてくれる。

 

 

「最高だ!! ありがとう福岡!!!」

 

心の叫びに歩み寄ってくれる桜井さんの優しさにまた泣きそうになった。

 

それでも会場の盛り上がりに置いて行かれないよう必死に手拍子で声援を送る。

 

 

ラスサビ前には中川さんのすぐ横(定位置)まで歩いていく和寿。

 

「嫌やつだと...」のところからもうニヤニヤしてる(はい可愛いずるい)

 

 

「ナカケーーッ!!!」

 

叫びを求められる中川さん。

 

ちょっと音外れてて笑っちゃった。

ごめんね。笑

 

 

4人全員が笑顔で演奏していて、曲が終わる頃には声が出せなくても心の叫びで会場が一つになっているのが伝わってきた。

 

 

 

JENのリズミカルなドラムで手拍子を煽る。

 

 

「僕らと皆さんの思い出がたくさん染み込んだ曲です」

 

そう告げるとドラムに合わせたカウントでイントロが始まり、会場の一体感をよりたしかなものにしてきた。

 

 

 

 

 

05. innocent world

 

30周年という記念すべきライブに外すことのできない曲だと思ってた。

 

だからこそイントロが流れた瞬間、嬉しさがいつも以上にこみ上げてきて、彼らにとっても思い出が詰まった曲であることに自然と笑みがこぼれた。

 

 

この日初めてサイドステージの端まで来てくれた田原さん。

 

あのイントロを弾く姿がまた目の前で見られた。

 

(田原さんっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!)

 

毎回毎回 目の前に来る度、尊すぎてこの感情以外出てこなくなる。

 

だってあの日本の音楽シーンを彩った代表曲のギターを10m先で弾いてるんだよ?

サビでは左右に揺れる手に合わせてにっこにこの笑顔でギターを振って応えてくれるんだよ?

 

もう何もいらなくない???

 

こんなに好きになっちゃっていいの?状態になりました。

 

 

いつの日も この胸に流れてる メロディー

 

彼らの音楽との出会いから今年で11年。

青春の中に、成長の中にいつも Mr.Children がいてくれた。

大人になり、生まれた地を離れているこの日もまた。

 

まさに思い出が染み込んだ一曲を届けてくれた。

 

 

 

 

 

06. MC

 

「どうもありがとーーー!!!!!」 

 

Mr.Children です!!!!!」

 


(あぁ やっぱり夢じゃないんだ)

 

3年もの間 待ち続けてた光景。

目の前にある彼らの存在がたしかなものであることを告げてくれると、本当に夢のような時間であり、それが現実であることが嬉しくてたまらなかった。

 

 

「みんなの声を出したい気持ちの分まで、僕らが声を出して届けたいと思います」

 

決して一方的になることなく、声が無くても会場にいる全員でライブという空間を作り上げる。

 

海にてのときもそうだったけど、彼らから歩み寄ってくれるようなシーンがライブを通して本当に多かった。

 

声を出して完全燃焼できない我々に少しでも盛り上がってもらおう、少しでもみんなで一緒に楽しもう、そんな寄り添ってくれる優しさに何度も泣きそうになった。

 

そして我々も今できる力いっぱいの拍手で応えることを約束した。

 

 

これまで 219 もの曲を作った Mr.Children

たくさんの曲を選んできたが、この日届けられるのはほんの一部。

 

だからこそ "今日だけのセットリスト" を作ってきてくれたとのこと。

 

一曲一曲を全力で噛み締めて演奏してくれることを誓ってくれた。

 

 

デビュー当時、まだ若かりし頃の彼らは音楽と女性にしか興味がなかったらしい。

(今の若い人たちもそんなものだけどね。笑)

 

そんな痛々しいあの頃に戻って当時の初々しい曲を届けてくれた。

 

 

 

 

 

07. Replay

 

こんなレア曲聴けちゃっていいんですか?

中川さんのオシャなベースライン聴けちゃっていいんですか??(歓喜)

 

歌詞や情景はたしかに今以上に濃い恋を綴った初期の初々しさが残ってるけど、むしろそれが良いみたいなフレーズもいくつかあるから好き。

 

潮風が溜息を空に運ぶ

波音はくちづけの吐息消して

 

後半なんてもろに初期のそれだけど、23歳の歌詞って考えたらもうオシャレじゃない??

少なくとも今23歳のおみずには書けない表現です。

 

 

 

 

 

08. Any

 

Sunny さんが奏でる一番好きなイントロに嬉しさがこみ上げてくる。

 

25周年のときに演奏してくれた中で一番嬉しかった曲。

映像化しないのが残念だったけどその分また聴けることが嬉しかった。

(まだ諦めてないからね?)

 

 

間違った場所にたどり着いても、そこから自由にたどり着きたかった正解を描ける。

 

無限大の正解に溢れた未来。

何度失敗しても正解へ踏み出す一歩を後押ししてくれる人生の応援歌。

 

誰も得しないラジオでもリクエストが多かったのはそれだけこの曲に支えられた人がいた証。

 

12色の心で描く未来は誰一人同じものはなくてそれぞれに彩りがある。

 

 

Mr.Children に支えられていたことを改めて感じた。

 

 

 

 

 

09. MC

 

今 僕のいる場所が 探してたのと違っても
間違いじゃない

 

前曲 Any の歌詞。

マスクをして声が出せないこの光景は、彼らが探していたものではないけれど、決して間違いなんかじゃないとのこと。

 

 

たくさんの温かくて優しい拍手があるから。

 

 

その拍手がたまらなく嬉しいと伝えてくれた。

 

そしてその拍手をより近くで、より全身で受け止めたいとセンターステージへと場所を移す。

 

準備中、いつものように始まるJENのおふざけ。

 

 

......ドコドコドコドコ     ドコドk...

 

 

「いいかな?(笑)」

 

 

和寿の静止が入りました。

 

 

デビューして30年。

嬉しいことや楽しいことがたくさんあったけど、それ以上に言動などを悔やむことの方が多かったとのこと。

 

嫌な思いをさせてしまった人がいるかもしれない。

それでも一緒にいてくれる人がいた。

そんな人の思いも乗せた曲を届けてくれた。

 

 

 

 

 

10. くるみ

 

2016.9.30 虹ツアーの帯広以来の演奏。

当時は日替りの弾き語り曲(原キー)として歌ってくれた。

ちなみに選曲理由は「くるみの日」だったから。

 

当時のMC

「9(く) と 3(み) はわかるじゃん?」


「0 はなんなんだって(笑)」


「あれはくるみの形だそうです」


「丸いから 0 なんだって(笑)」

 

あれから6年も経つんだね(話が逸れました)

 

 

アコギの音から歌い出しが始まる。

 

半音下げなことでより切なさがあって、過去を思い出す歌詞に合っていた。

 

 

時間が何もかも洗い連れ去ってくれれば
生きる事は実に容易い

 

嬉しかったことも、楽しかったことも

悲しかったことも、寂しかったことも

過去が無くなればマイナスからもプラスからも始まることなんてない。

 

0 から生きる事は初めてに溢れていて容易い。

その最たる例が子ども。

 

過去を無かったことにするのはできない。

それでも嫌な事は思い出したくない。

だから良かった事だけ思い出す。

 

過去にしがみつくほど年老いた気持ちになるけど、新しいことに物怖じせず 来る未来に目を向ければ、どんな未来が待っていようと子どものように変わらず胸が踊る。

 

そんなメッセージが半世紀を見据えたツアーの選曲としてすごく相応しいと思った。

 

POPSAURUS 2012 のようなアレンジだったけど、ラスサビで一度アコギだけになったあとバンドが合流するかたちで今までで一番好きなアレンジだった。

 

 

 

 

 

11. S.MC

 

今、彼らの曲、彼らの音を奏でているのは Mr.Children の4人と Sunny さんの合わせて5人。

 

それが "僕ら" となったとき、そこには我々一人ひとりも入っていると言ってくれた。

 

 

 

 

 

12. 僕らの音

 

別れの一言から始まるフレーズ。

物悲しい歌声がより バイバイ という言葉の切なさを強くする。

 

Against All GRAVITY のときに CANDY を演奏したのもあって、もう一度同じセンターステージで同じアルバム曲を演奏するとは思ってもみなかった。

 

一番好きなアルバムの一番好きな曲。

Mr.Children の楽曲の中でもトップ3に入るほど大好きで今回のライブで一番嬉しかった。

 

優しくて切ない歌詞と曲調、寄り添うような歌声、間奏、アウトロ、バンド以外のピアノやバイオリンの音まで全てがたまらなく好き。

 

 

会いたい 会えない 会いたい

 

以前にもライブレポとは別に書いたけど、変わりゆく世の中でこのフレーズが本当に響いた。

 

本来の歌詞の情景とは違うかもしれないけれど、どうしてもそう重ねて聞いていた。

 

"虹" のフレーズがあるサビでは照明が美しい虹色に変わる。

 

 

間違ってなんかない

きっと正解もない

これが僕らの音

 

答えが落ちていない答え探し。

信じた瞬間それが答えになる。

理由なんてなくても自分たちが信じた音はきっと僕らの答えとして誰かに伝わってくれる。

 

そんなメッセージが込められてるんじゃないかな。

 

 

 

 

 

13. SE

 

メンバーがメインステージに戻る暗闇の中、サイドスクリーンに天の川が映し出される。

 

やがてメインのスクリーンに無数の星が映し出されると、その星の光の中で曲が始まる。

 

 

 

 

 

14. タガタメ

 

ご時世上、どうしてもそういう視点になってしまわざるを得なかったけど大丈夫かな。

 

スクリーンには代わり代わり映る世界中の人たちの間に今の象徴するような戦争やデモの光景が広がる。

 

彼らの楽曲の中でもかなり異質な方だけど、それだけメッセージ性も強い一曲。

 

高2の時に参加した未完ツアーのときもかなり心を打たれたけど、それと同じくらい、むしろそれ以上に映像が、曲が、Mr.Children が訴えかけてくるように感じた。

 

ライブ中、右と左のサイドスクリーンは基本的に同じ映像を映してるんだけど、世界中の人がメインステージを向いて立っている映像では右と左で一人ひとりが違う人だった。

 

左の人 右の人

ふとした場所できっと繋がってるから

 

世界中の人たちが回り回って繋がってる。

そんな歌詞に寄り添った映像だったのかな。

 

間奏では熱さを増していく演奏に加えて、海外の道路看板に "STAY HOME" と書かれた映像もあって印象に残った。

 

 

 

SEとともに無数の写真が流れてくる。

 

その写真、フィルムには一つ一つ事実を写した物語が必ずある。

 

 

 

 

 

15. Documentary film

 

SEを背に歌い出しが始まる。

 

いくつもの歯車の中で彼らが映し出される演出はこの日一番の演出だった。

 

 

曲を聴き進めていくほど名曲であることを感じるとともに、改めて日常を慈しむ大切さを教えてくれる。

 

制作期間で桜井さんが死を意識するようになった部分も含まれているけどね。

 

 

ある時は悲しみが

多くのものを奪い去っても

次のシーンを笑って迎えるための

演出だって思えばいい

 

この歌詞にすごく助けられた自分がいる。

 

悲しいことや辛いことがあっても、その分きっと嬉しさや楽しさがやってくる。

 

思うように行かない不条理な世の中がたくさんの日常を奪っていったけど、いつかその日常が帰ってくるとき、失ったときと変わっていなくても慈しんだ分 笑顔になれる。

 

そんな日常が戻るときまで、この曲が持つメッセージは心に存在し続けてくれる。

 

もちろん戻ったあともね。

 

 

 

不気味なSEとともに鼓動を続ける心臓がスクリーン上部に映し出される。

 

田原さんのギターが合流すると不気味さを保ったままイントロが始まる。

 

 

 

 

 

16. DANCING SHOES

 

息を殺してその時を待っている蛇。

スクリーンを大きく移動しても獲物を捕らえるチャンスは来ない。

 

群れを離れ歩いてく蟻。

注目を浴びた分、人間に捕まってしまう。

 

肩を上げ下げする女性。

両手に鎖、両足に重りを着けている。

 

 

サビになると女性は負荷を背負いながらも華麗に踊る。

転んだってステップを踏み続ける。

 

傍から見れば鎖と重りを着けながらも踊ろうとする無様な姿に映るだろう。

 

そんな馬鹿な人には無様な位がちょうど良い。

 

社会を皮肉った歌詞がゾクゾクする映像とともに 昨年の B’z presents UNITE 以上の衝撃を与えてきた。

 

 

 

 

 

17. LOVE はじめました

 

前曲から間髪入れずに始まる。

 

(ケバブだあああああああ!!!!!!) ←

 

まさかの伏線回収。

30周年でやってくれるとは微塵も思ってなかった。

 

すごく聴きたかった曲の一つ。

blood orange ツアーのときの演出が好きすぎてハマってからこの曲の虜になった。

 

しかもこの日はアコギ付き。

 

スクリーンには独特な曲調とともに我々を深い沼へと引き込むような無数の文字が映し出され、両手を突き上げた歌詞に沿ったピースサインでその沼へ引き込まれた合図をステージへ送った。

 

インタビューは昨年の ワン・バイ・ワン・プラス と同じくメッシ。

(久保君はいつかしらね!)

(たぶんこないね!)

(了解!)

 

サビでは顔に熱さを感じるほどの炎の演出で、音とともに会場と和寿のテンションを爆上げした。

 

 

 

 

 

18. フェイク

 

再び前曲から間髪入れずイントロが始まる。

 

(Mステ!! リベンジチャンス!!!)

 

 

間奏では声を出せない我々をさらに煽ってくる。

 

よーし和寿それだけ煽るってことはもちろんお前もやるんだな?

俺らを興奮させてくれるんだよな?

期待していいんだな?

任せたからな?

 

 

 

ただ腰を振り続けるよ

 

 

 

Mステリベンジ、果たせました。

 

 

もう悔いはありません。

ありがとうございました(?)

 

 

 

 

 

19. Worlds end

 

3曲続けてたたみ掛けてくる。

 

重力と呼吸、Against All GRAVITY で核を担ったと言っても過言ではない一曲が30周年でも繋ぎとして大事な部分を担ってくれた。

 

 

スクリーンには世界各地の果てが映し出される。

 

どんな世界の果てへも

この確かな思いを連れて

 

"確かな思い" って抽象的な表現だけど、Against All GRAVITY のときはそこに大きな意味を持ってたよね(抽象的)

 

 

「連れてくぞ福岡ーーーーっっ!!!!!」

 

その思いとともに我々を彼らが作り出す世界へといざなってくれた。

 

アウトロではファルセットを絡めながら最後はボーカリストの魂の叫びが響き渡った。

 

 

 

 

 

20. MC

 

「楽しんでますか福岡!!!」

 

桜色の衣装に着替えた和寿の声に会場全体が拍手で応える。

 

「でも絶対俺らの方が楽しんでる(笑)」

 

 

「ずっとずっとこの時を待ってた」

 

 

ほらまた泣きそうになること言う。

 

この一言が何よりも嬉しかった。

 

ツアーの詳細とともに発表されたコメント。


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"再会を、再開を楽しみにしています"

 

ファンの我々もものすごく待ち望んでいたけど、それ以上に彼らがその時を求めていたんだなって。

 

 

本当に、本当に、ありがとう。

 

 

 

「思い出や記憶を吸い込んで大きい歌になってほしい」

 

一人ひとりの物語が染み込んだ30年の中で生まれた曲たち。

 

これから聴いてもらう曲も同じようになっていってほしい。

そんな願いを込めた新曲がファンを前に初めて披露される。

 

 

 

 

 

21. 永遠

 

スクリーンに大きな桜の木が映し出されると、冒頭の歌詞を表すように満開の桜が風に揺られる。

 

曲全体で終始美しさが見えながらラスサビでより壮大になり、曲としてのドラマ性や世界観を作り上げるストリングス。

 

そして小林さんが作り上げる綺麗なピアノ進行とアレンジ。

 

今回それを奏でたのは Sunny さんだったけど、会場に響く音は音源をそのまま乗り移したように美しかった。

 

 

冗談が過ぎる

たとえ神様であっても

死ぬまで許さない

 

"時は行き過ぎる" と掛けながらも Starting Over の冒頭のような耳に残る強いフレーズ。

 

重力と呼吸のインタビューで、意図的に淡白な表現にしている部分もあることを語っていて 当時は少し残念に思ったんたけど、この曲の聴いたときそれが一切なくなった。

 

歌い手の想いについていけなくなった現代の想像力の浅いリスナーにも、これだけ寄り添って伝えたい想いを表現してくれる桜井和寿は本当に凄いと感じた。

 

 

90年代と比べて音楽ジャンルはより豊かになったしYouTubeやサブスクでより手軽で身近なものになった。

 

すごく良いことだと思うけど、その分 ジャケットを見て、CDを買って、歌詞カードを見て ... っていう音楽と正面的に向き合う人が減ってしまったようにも感じる。

 

98年生まれの奴が90年代を経験してないだろってね。

また話が逸れたね(このお話はまたどこかで)

 

 

『レンズの先に写る永遠ではない一瞬一瞬の表情や仕草が、存在がなくなった今となって心の中で強く永遠に生き続ける』

 

"かつてここにいた君"

"今ここにはいない君"

 

対極する過去と現在を "今もこれから先も自分の中に生き続ける永遠の存在" として一つに描いた歌詞が本当に凄いと思った。

 

以前と表現方法を変えても、物語に寄り添った想いが伝わってくるまさに名曲だった。

 

 

 

 

 

22. others

 

深夜に灯るほんのりと明るい照明の中で歌うような演出。

 

曲の後半にはスクリーンにいくつもの真夜中の都市ビルが映し出される。

 

ドーム独特の声や音の響きがお酒のような余韻となって暗い静寂の空間を包み込んだ。

 

いつか音の良いホールでも聴けたらいいな。

 

 

 

 

 

23. Tomorrow never knows

 

イントロで思わず漏れる声。

それは他の人も同じで会場全体がどよめいた。

 

この日一番と言ってもいい手拍子。

 

Against All GRAVITY のときにも書いたけどこの日もやっぱり一番を完璧に歌い上げてくる。

 

決して簡単じゃない曲なはずだけど毎回クオリティが高すぎてこの一曲だけでもお金を払う価値がある。

それくらいの完成度。

 

ラスサビの崖と海の映像は今回も新しくなっていて、どんな明日が待っているかわからなくても明るい開けた明日を期待させてくれるような壮大な演出だった。

 

 

 

 

 

24. Printing

 

(え!?!? あれやるの!?!?!?)

 

声が出せないライブでやるのは少し予想外だった。

 

そんな甘い考えを良い意味で裏切ってくる。

 

 

 

 

 

25. Dance Dance Dance

 

「福岡ーーーーっっ!!!!!」

 

叫びとともに走り出す和寿。

 

 

「もっと(心の中で)叫んで!!!」

 

出せない声の分まで必死に心の中で叫び、手を身体を上下左右に振った。

 

何万人ものダンスで会場が興奮に包まれた。

 

 

 

「楽しんでますか!!!」

 

「その姿もっと見せてくれない???」

 

その問いかけの背で鳴るドラムロールはポップなリズムを刻んでいる。

 

そのドラムに合流するピアノ、ギター、ベース、そして手拍子がやがて一体となり、キラキラと輝くイントロでアニバーサリーライブのクライマックスを迎える。

 

 

 

 

 

26. エソラ

 

Thanksgiving 25 と似た流れだけど、逆に言えば記念ライブの終盤にアルバム曲を続けてたたみ掛けてこれる曲のストックが凄すぎる。

 

Aメロでこの日初めてこちら側にやってきてくれた中川さん。

 

(中川さんっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!)

 

どこかで見た感情なのはノータッチね?

 

ベースなので田原さんと違って手を振ってくれるタイミングはなかったけど、再開、再会を楽しんでる笑顔を見ることができた。

 

 

メロディーラインが放ったカラフルな魔法のフレーズ

輝きを撒き散らしては僕らに夢を見せる

 

モノクロだった3年分の思い出を全て色付けてくれるようなこの時間。

今ここで彼らが撒き散らしている彩りで夢のような時間を見せてくれる。

 

そんな彩りある音楽がいつか必ず鳴りやむとわかっていても、限りある時間の中で体験できる夢や希望を求めて今日を生き続ける。

 

 

音楽、そしてライブがこの曲を通して改めて生きがいであると感じた。

 

 

アウトロの最後には花道のスピーカーを使って大ジャンプする和寿。

 

未完ツアーの innocent world より跳んでました。

客席もこの日一番驚いてました。

「すげぇ......」って声も聞こえてきました。

 

 

えっと、52歳ですよね?????

 

2時間以上歌ってきましたよね?????

 

 

 

ど ん だ け 元 気 な ん で す か

 

 

 

半世紀を生きた桜井和寿に "衰え" という言葉は程遠かった。

 

曲と同じくいつまでもキラキラと輝く姿がそこにあった。

 

 

次こそみんなで Oh Rock me baby tonight やろうね!!!

 

 

 

 

 

27. S.MC

 

「どーもありがとーーーーー!!!!!」

 

「あったけーーーーー!!!!!」

 

鳴り止まない情熱と祝福を乗せた拍手。

 

最後にその盛大な拍手にこの曲で応えさせてほしいと Sunny さんのピアノから歌い出しが始まる。

 

 

 

 

 

28. GIFT

 

「い〜ちばん  ひk れ〜いn... ごめんもっかいやらせて!」

 

(は!?!?  え!?!? なにこのスペイベ!!!!)

 

 

(かわいすぎるんですけどっっっ!!!!!)

 

 

しちゃいけないところで歌詞ミスする和寿。

 

会場が笑いに包まれました。

 

 

「もう一回やるよ(汗)」

 

ちょっと焦ってて可愛かったです。

 

 

_________ TAKE 2 _________

 

"イメージしながら" のところで「いつも」「今日も」と POPSAURUS 2012 の ラララ のようにアレンジしてくる。

 

曲の途中に感極まる桜井さん。

 

25周年のときも「この曲だけは外すことができない」と言っていたように、やっぱり彼らにとって本当に特別な曲なんだなと思った。

 

オリンピック主題歌としての特別さではなく、Mr.Children とファンを繋ぐ感謝の架け橋のような特別さ。

 

そしてやっぱり再開、再会を心から嬉しく思ってくれてるんだと震える歌声と表情から伝わってきた。

 

 

今 君に贈るよ  気に入るかな?  受け取ってよ 
君とだから探せたよ  僕の方こそありがとう

 

彼らだけではたどり着くことができなかった "一番きれいな色"

 

30年という月日が経ってもそばにいてくれるファン。

記念すべき年のライブでドーム一面に埋まるファン。

 

そんな彼らから我々への感謝であり、最高のGIFTを届けてくれた。

 

 

 

 

声が出せない中、これほどまでに満足するとは思っていなかった。

 

 

いつも我々の想像を超えてくる Mr.Children

 

 

半世紀を生き抜き、デビュー30年を迎えるバンドの進化はとどまることを知らず、これから10年先も20年先も新しい扉をノックし続ける力強さをそこに感じた。

 

 

 

 

 

29. Encore

 

(あぁ やっぱり...)

 

スマホライトはすごかった。

(綺麗とかの意味じゃなくて)

 

Thanksgiving 25 や Against All GRAVITY の札幌ドームに匹敵するくらい。

 

今やスマホライトが禁止なことすら知らない若い人もいるらしい。

 

まあファン層の若いアイドルのライブでも、会場の写真上げる人がこちらの界隈とは比べ物にならないくらいたくさんいるし、"若者 = マナーが悪い" みたいに思われても仕方ないのかな。

 

いい迷惑だけどね(23歳 男性)

 

開演前のアナウンスでもサイリウムだめって言ってるんだけどね。

スマホライトも併せて言ってくれるといいなぁって。

(なおこの問題は2日目に和寿が解決した模様)

 

それでもスタンドからはたくさんの手拍子が聞こえてきたし、「もう一度音楽を聴きたい!」というアンコールの本質は失われていなくて安心した。

(アリーナもっと拍手してよね!!!!!)

 

 

 

「どーもありがとーーー!!!!!」

 

改めて感謝の意を表し、拍手で迎える。

 

Mr.Children です!!!」

 

と言いながらも出てきたのは和寿一人。

 

 

ロンドンで行う SOUNDTRACKS のレコーディングのために通っていた英会話教室でわかったことがあるという。

 

 

”You”

意味:あなた。あなたがた

 

↑これらしいです。

 

 

おいおい義務教育()

 

 

でも和寿が子どもの頃って英語は必須科目じゃなかったのかな?

あ、ごめん、今でも子どもだった←

 

 

ここにいるあなた、あなたがた。

ここにいないあなた、あなたがた。

 

そんな多くの あなた に向けた曲を届けてくれた。

 

 

 

 

 

30. Your Song

 

まさかのアコースティックバージョン。

 

原曲とはまた違った温かさがあった。

 

 

君と僕が重ねてきた  歩んできた  たくさんの日々は

今となれば  この命よりも  失い難い宝物

 

30年という日々を積み上げられたことへの感謝のように聞こえた。

 

 

ふとした瞬間に同じこと考えてたりして

また時には同じ歌を口ずさんでたりして

そんな偶然が今日の僕には何よりも大きな意味を持ってる

 

同じ考えを持ったあなたがいる。

ただの偶然なんかじゃなくて、あなただからこそ生まれた偶然。

あなたじゃなかったら生まれていなかった。

 

そんな奇跡のような出会いと存在に "君じゃなきゃ" という言葉で感謝を伝える。

 

You (あなたがた) の存在に感謝を込めて歌ってくれたのが伝わってきた。

 

 

 

 

 

31. MC

 

メンバーと Sunny さんが再度登場し、メンバー紹介。

 

JEN

「俺から言わせれば30周年は29周年の次だ!(イケボ)」

 

イケボなわりに言ってることが当たり前なのは突っ込まないけど、30周年もあくまで通過点であって、しっかりと半世紀を見据えてることが伝わってきて嬉しかった。

 

 

中川さん

「こんばんはー」

 

(え!?!?  中川さんのお声聞けるの!?!?!?)

 

興奮でいっぱいでした。

現地で声を聞くのは未完ツアー以来7年ぶり。

すごく嬉しかった。

 

「デビューして30年が経ちました。.........まだ経ってねぇか」

 

この緩さ、たまらん(尊)

 

 

「デビューして初めての全国ツアーが福岡、初めてのドームツアーも福岡、そして30周年の初日も福岡で迎えられることがすごく嬉しいです」

 

「また新しいドアを開けていければと思います」

 

福岡という地への感謝と、彼もまた、先を見据えた一言を添えてくれた。

 

 

田原さん

「こんばんは」

 

同じく7年ぶりです。

興奮を越えていて感情は覚えていません。

それでも何とか彼の喋った言葉を必死に覚えておきました。

 

 

「今日はたくさんの曲を届けましたが、それぞれの曲にみんなそれぞれの想いが乗っていて、キラキラと輝いていて綺麗でした」

 

「みんなの生活に少しでも近づけるような音を出せればと思ってます」

 

「これからもよろしく」

 

彼の意思、信念、想い っていうものは Mr.Children としての中枢を担っているようなものが本当に多くて。

 

この日の言葉も聞いてもそうだった。

 

他にもコロナ禍で何が出来るかを考えて 誰も得しないラジオ を再開してくれたり、桜井さんの声が出ずライブが中断となったときには、再開してほしいお客さんへ Mr.Children を守るために必死に説明してくれた。

 

表立っては目立たないような存在でも、バンドの方向性を指し示す姿や心からファンを想ってくれる姿勢が本当に本当に大好き。

 

 

3人に共通していたことは30周年のその先を見据えていたこと。

 

 

『半世紀へのエントランス』

 

まさにそこまで音を鳴らし続けようとする Mr.Children

 

あぁ、やっぱり完成されないバンドなんだなって。

 

「あぁ俺ら、まだまだ出来る!って感覚、感触を残して最後を終えたい」

 

3年前の沖縄で口にしていた思い。

 

そこからコロナ渦というブランクを挟んで迎えた再会、再開の時間のこの日、その感覚、感触が変わらず先を見据えた彼らに残っていたように感じた。

 

まだまだ可能性を秘めた未完の彼らが、30年を祝福しようとする我々に これほどまでにわくわくとしたものをくれる。

 

これからも身を委ねてついていくことを誓った。

 

 

「30年を過ぎても、生き生きと音を鳴らしていくんだ、鳴らしていかなくちゃと自身を激励するように」

 

「不条理な2年間だったけど、ここから強くたくましく生きていけるように」

 

 

そんなメッセージをタイトルにも込めて最後の曲を届けてくれた。

 

 

 

 

 

32. 生きろ

 

ピアノの伴奏で静かに始まる歌い出し。

 

サビからではなく、サビの中で徐々に壮大になっていく曲調。

 

「追いかけろ」「問いかけろ」「水掛け論」

 

その中で韻を踏みながらも、強くたくましく生きようとする力強さが伝わってきた。

 

 

思いきり笑えるその日が来るまで

 

 

一番印象に残ったサビの最後のフレーズ。

気付いたら目頭が熱くなっていた。

 

 

『今はマスクをして声を出せないけれど、思いっきり叫んで、思いっきり泣いて、思いっきり笑えるその日まで、力強く生きるんだ』

 

我々へのメッセージでもあるように感じた。

 

 

30年を迎えてもなお、先を見据え続けて歩き出す。

 

そんな新たな Mr.Children の出発を見届け、再会、再開のアニバーサリーライブは幕を閉じた。

 

 

 

 

 

33. Ending

 

「みんなのおかげで最高の初日を、一日を迎えることができました」

 

改めて感謝を伝えてくれると、優しい歌 をバックに4人でサイドステージの端まで足を運んでくれた。

 

途中で流れるサビのレスポンス部分で 全身を使って両手を突き上げてくれるJEN。

 

(JEN!!!) (ありがとーーーっっ!!!)

 

こちらも突き上げたままの両手で目一杯手を振った。

 

 

最後にはステージ中央で4人が笑顔で肩を組んでお辞儀をしてくれる。

 

やっぱり一番好きな瞬間だなって。

 

 

4人の絆が見えるとき、いつも全員の子どものような笑顔がある。

 

その笑顔は彼らが奏でる音楽と同じくらい自分の日常を支えてくれた宝物。

 

そんな宝物が今もこれからも存在し続けてくれることに本当に感謝しかなかった。

 

 

「規制退場で待ってもらうかもしれないけど、今日のライブを、楽しいことをたくさん思い出して待っててください!」

 

最後まで気にかけてくれる桜井さん。

 

また泣きそうになった。

 

この一日でたくさんの優しさを振りまいてくれたおかげで、声が出せなくても本当に素晴らしいライブになってくれた。

 

 

日常を支えてきてくれたことへの感謝を伝えて、その感謝が数倍にもなって返ってきてくれてまた日常を支えてくれる。


3年前の言葉だけどやっぱりライブってそんな場所な気がする。

 

 

日常がこの2年間で不条理になっていって、より音楽に支えられる時間が増えた分、その感謝は伝えても伝えきれなかった。

 

それなのに彼らからは25周年のとき以上の感謝を受け取った。

 

 

まだ思うようにいかない、声の出せない時間が続いているけれど、

いつか必ず戻ってくるその時のために、目一杯の声と笑顔で今回寄り添ってくれた優しさも含めた感謝を伝えれられるよう準備しておかないとね。

 

 

 

思いきり笑えるその日が来るまで。

 

 

 


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fin.

 

 

 

優しさの陽だまり

 

 

 

ひな誕祭のライブレポを書いてた手が止まった。

 

気持ちが追いつかなかった。

 

この目で見た数日前に夢を叶えた子がグループからいなくなる。

 

信じたくなかった。目を背けたかった。

 

誰よりも周りが見えて

誰よりもグループ想いで

誰よりもメンバー想いで

 

文字では自分の気持ちを整理して表現してるけど、それ以上の熱い気持ちがあるのは彼女の姿を見て伝わってくる。

 

 

「もし仲間が倒れた時は僕が背負うから」

 

彼女が一番好きな歌詞。

 

約束の地が見えた ひなくり2019。

涙を流しながらこのフレーズを歌っていた瞬間は今でも忘れない。

 

宮田さんが影ナレで参加となった ひなくり2020。

「離れているけど22人全員が揃っていることが本当に嬉しかった」

当たり前の日常がなくなったこと、松田さんの復帰、涙ぐんで言葉に詰まりながら伝えてくれた想いはあの日一番心に響いた。

 

自ら約束の地を発表できた ひなくり2021。

嬉しさに満ちた笑顔で歌っていた姿は希望に溢れていた。

 

そして約束の地で迎えた3回目のひな誕祭。

濱岸さんがあの地に立てないと知ったとき、崩れ落ちて涙する姿を見て目頭が熱くなった。

 

 

松田さんのときも、小坂さんのときも、濱岸さんのときも、自身が大好きな歌詞を見えるところ、見えないところで体現してくれた。

 

ひらがな時代も先頭に立って2期生だけでなくけやき坂46を引っ張ってきてくれた。

 

メンバーを想いながらも自分自身の位置を全うする。

背負ってきたものはすごく多くて大きかったはず。

 

大変さや辛さはメンバーや彼女自身にしかわからないけど、それを乗り越えてきてる彼女はすごく強い子だよね。

 

 

 

「全員のことが見える位置」

 

 

加入前からアイドルが好きな子だし、最後のポジションはそんな子らしい思いなのかなって思ったけど、

「共に成長した21人の姿、夢を叶えてより大きくなった日向坂46の姿を見届けて旅立ちたい」

そんな思いでもあるのかなって。

やっぱり最後までメンバーを想ってグループを想ってくれてる気がする。

 

もちろん自身の努力もしてきたと思うけど、やっぱり心からメンバーを想って支えてあげる姿が脳裏に焼き付いてる。

 

ごめんね。

でもそれだけ強くて優しい子だと思ってる。

周りを見て機転を利かせられる頼もしい姿が多く映るけど、それ以上に人を想って支えてあげられる優しさが彼女の一番好きなところだから。

 

 

 

人として尊敬する大好きな子。

 

 

たくさんの人を支えてくれた優しさが

これからの彼女の未来に実ってほしい。

 

 

日向から新たな陽だまりが生まれる 。

 

 

そんな未来が待ってると思うと彼女が言ったとおり前向きになれるね。

 

 

寂しいけれど笑顔で見送ろうよ。

数日前に夢舞台で歌った 日向坂 みたいに。

 

 

日向坂46を卒業しても どこまでも太陽に続く道 は変わらず歩き続けてくれるから。

 

 


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fin.