一年前の今日
本来なら新しい会場で新しい出会いを迎えていた
長い旅を締め括る日でもあった
「この目で見ないといけない」
目標としていた地の霧が晴れたかのような
目の前に日差しが降り注ぐような
12月のそんな素敵なサプライズでそう決心した
年が明けてダンスナンバーの表題曲と勇気をくれる応援曲が公開されると、その決心をより強いものにさせた
"中止" の文字があったのはしばらく先
それでも予定していた日が無くなったことに、悲しい、寂しい、悔しい、そういった単純な感情では言い表せない複雑な思いが募っていって
心のベクトルがはけ口を探していくつも数を増やしていった
テレビ出演であったり、オンラインライブであったり、今出来ることを精一杯やってくれたことは嬉しかった
日常を支えてくれる存在が今もなおその姿を更新し続けてくれることには感謝しかない
こんな世の中でも新しい音を生み出し続けてくれることが、よりいっそう心の拠り所としてあってくれた
それでも心が満たしきらなかった
音楽とともに支えられた "空間" があったから
一度噛み占めたその感触をどうしても忘れられなかったから
アーティストがいて、感情を作る音楽があって、ステージを作る演出があって、空気を作るファンがいて
多くのものが集まって完成するその空間を日常の何よりも楽しんだ過去がある
その非日常が変哲もない日常を彩ってくれた
敢えて何とは言わなかったけれど、身体が欲しているのはその言葉です
いつかまたその日がきたとき
今までに溜めていたうずうずとしたその気持ちが、お互いに弾けて最高の空間を彩ってくれるように
日常があってこそ待ち望んだ非日常が輝いてくれる
次のシーンを笑って迎えるための演出だって思えばいいって誰かさんも言ってたしね
笑顔溢れるそのときまで
いつかまた きっとまた その場所で
fin.